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この記事は、翔泳社で実施する独習ゼミの研修を紙上で再現したものです。
使用したプログラミング言語はJavaです。プログラミング経験の有無から「初級コース」と「中級コース」に分かれて、それぞれ4問ずつプログラミングの課題に取り組んでいただきました。講師を務めた私の役目は、赤ペンでソースコードを添削することでした。提出されたプログラムは、どれもきちんと動作しましたが、誰にも共通した問題がありました。それは「プロらしくない」ということです。
実際に内定者さん(学生さん)から提出していただいたソースコードと添削結果を掲載しますので、皆さんも一緒にプロらしさとは何かを考えてみてください。また、指導する立場の人は、連載で指摘していく項目を意識しながら、後輩指導に取り組んでみるのもよいでしょう。今回は、中級コース第4回の課題を紹介します。なお、提出者の名前は匿名であり、ソースコードも一部を抜粋したものを掲載しています。
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クリック位置に描画されたボール(円)が動き回るJavaアプレットを作成してください。
ボールのサイズ、色、動き回るスピード、動き出す方向は、ランダムな値にします。
ウインドウの上下左右の境界線に達した場合は、ボールが跳ね返るようにします。 |


1 :public class Circle2 implements Runnable{
2 : // 座標
3 : int x, y;
4 : // 大きさ
5 : int size = (int)(Math.random() * 150);
6 : // 色
7 : float color = (float)Math.random();
8 : // 方向とスピード
9 : int dirx = (int)(Math.random() * 20);
10: int diry = (int)(Math.random() * 20);
11: // アプレットのサイズ
12: int wid;
13: int hei;
14:
15: Circle2 (int x, int y, int dx, int dy) {
16: this.x = x;
17: this.y = y;
18: this.wid = dx;
19: this.hei = dy;
20: }
21:
22: public void run() {
23: // チェックのための変数を用意
24: boolean chkx = true, chky = true;
25:
26: try {
27: while(true) {
28: // x座標、y座標の増減を計算
29: if (chkx) x += dirx;
30: else x -= dirx;
31: if (chky) y += diry;
32: else y -= diry;
33:
34: // 座標が正の方向進むときウィンドウの端にきたら
35: // 折り返すようにする。y座標も同様に設定
36: if (x >= (wid - size)) chkx = false;
37: if (x <= 0) chkx = true;
38: if (y >= (hei - size)) chky = false;
39: if (y <= 0) chky = true;
40:
41: Thread.sleep(50);
42: }
43: }
44: catch(Exception e) {
45: System.out.println("スレッドに割り込みが入りました。");
46: e.printStackTrace();
47: }
48: }
49:}
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メンバに可視性を指定しましょう
可視性とは、publicやprivateというキーワードで、プログラムの他の部分からメンバ(フィールドやメソッド)を利用できるかどうかを設定するものです。一部のメソッドにはpublicが指定されていますが、無指定(パッケージ内でpublicという意味になる)のメンバもあります。無指定は、とても気になります。publicとprivateのどちらを想定しているかが分からないからです。大規模プログラミングでは、Hさんが作ったクラスを他のプログラマが利用することになります。こんな状況をイメージしてください。Hさんと先輩の会話です。
| Hさん: |
先輩に頼まれたクラスができました。 |
| 先輩: |
ご苦労様でした。それで、メンバは何個あるの? |
| Hさん |
はい、全部で100個です。 |
| 先輩: |
どれ、おや可視性の指定がないね。ボクは、どのメンバを使えばいいのかな? |
| Hさん: |
はい、これとこれ……全部で5個のメンバを使ってください。 |
| 先輩: |
おいおい、それなら5個のメンバをpublicにして、他の95個のメンバをprivateにしてよ。分かり難いプログラムだなぁ……。
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メンバにもコメントを付けましょう
クラスを使う人への「思いやり」を込めてコメントを付けてください。クラスを使う人は、以下の順序でコメントを見るでしょう。それがコメントの重要さの順位です。
・このプログラムは誰がいつ作ったのか?
・このプログラムは何か?
・このプログラムの中にあるクラスの役割は何か?
・個々のクラスの持つメンバの役割は何か?
・メソッドの処理内容はどうなっているか?
現状のプログラムには、役割を示すコメントのないメンバがありますね。これでは、クラスを使う人が困ってします。メソッドの処理内容より、メソッド全体の役割を先に知りたいのです
フィールドの右辺に処理を書かないようにしましょう
4 : // 大きさ
5 : int size = (int)(Math.random() * 150);
6 : // 方向、スピード
7 : int dirx = (int)(Math.random() * 20);
8 : int diry = (int)(Math.random() * 20);
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という部分でフィールドの右辺に処理が記述されています。コンパイルエラーにならず、正しく動作するのですから問題ないとも言えますが、やはり処理はメソッドの中に記述した方がいいでしょう。フィールドに初期値を代入するのは、コンストラクタで行う処理とすべきです。その方が、初期処理が1箇所にまとまって見やすくなるからです。
これからも学習を続けましょう
これで、課題はすべて終了です。お疲れ様でした!
これから入社までに、どのような学習をすればよいかアドバイスさせていただきます。
・教材をもう一度「復習」する
・より高度な「サーバーサイドJava」の学習に進む
・サンマイクロシステムズが実施している「Javaプログラマ認定試験」に挑戦する
・国家認定試験である「基本情報技術者試験」に挑戦する
中級コースは今回で終了です。次回は受講者から寄せられたQ&Aを紹介します。お楽しみに!
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