著者のEric Sinkは、ソフトウェア業界のアカデミー賞と誉れ高いJolt Awardで2008年製品部門賞を受賞したSourceGear LLC社の創業者である。創業からのたったの10年でここまで登りつめた理由はどこにあるのか?
今もなお同社で現役のプログラマとして活躍中の著者が、自社製品を認めてもらい、より多くの人に購入してもらうにはどうしたらよいか?という問いにじっくりと取り組んできた。その経験から導きだされた最適解の集大成が本書である。
開発者のみならず、ソフトウェア業界で働く営業マン、起業家、経営者、すべての人にとって、仕事に役立つ知識やヒントが満載!
第1部 起業家
第1章 小さなISVについて
第2章 石の樽に不平をこぼす
第3章 自分の会社を始める
第4章 ギークのためのファイナンス入門
第5章 マイクロISVの探求
第6章 私のマイクロISVの第一報
第7章 もっと失敗しよう
第2部 人
第8章 小さなISVに必要なのはプログラマではなく開発者
第9章 ギークの支配とMBAの戯言
第10章 採用の危険
第11章 すごいハッカー!=すごい社員
第12章 「ソフトウェアにおける高音域」に対するコメント
第13章 キャリア計算
第3部 マーケティング
第14章 マイクロISVのための製品アイデアを探す
第15章 マーケティングは後処理ではない
第16章 競合を選ぶ
第17章 年相応に振る舞う
第18章 ギークの小手
第19章 建てる場所に注意
第20章 ゲームは進む
第21章 展示会に行こう
第22章 小さなISVのための雑誌広告掲載ガイド
第4部 セールス
第23章 透明性の信条
第24章 製品価格付けの初歩
第25章 ギャップを埋める パート1
第26章 ギャップを埋める パート2
えちぜんや よーた さん
2013-05-21
「技術屋VS○○○」というのは、永遠のテーマなのかもしれません。本書はその永遠のテーマにメスを入れるものです。(○○○には営業とか、マーケティングとか、財務など、お好みの単語をどうぞ)。本書は、ギーク(技術オタク)のための小さな会社、それも1人から3,4人程度の規模の会社のことを想定して、アドバイスをしています。「クールなコードを書きゃあいいんだろ」と、ギークが一方的に言い張っても、経営者としてそんなことは一切、聞く耳もたないというスタイルです。(Ericさん自身は、相当なギークなような感じだが)
ニョンブーチョッパー さん
2021-04-21
★★☆☆☆ 10年前に途中で挫折した本。当時はエンジニア視点でしか読んでなかったために退屈に感じたのだということに気がついた。本書はこれからビジネスを始める人や新しい製品を作る段階において役立ちそう。
人生ゴルディアス さん
2018-10-05
大変参考になり、楽しかった。本書は1人から数人の独立系ソフトウェア会社をやっていく際に大事なこととかについてのエッセイだが、ギークという生き物の生態の解説と、それを世の中というものにどう適合させるかの方法論がすごく面白い。またギークとソフトウェア会社はそのまま映画・監督とか漫画・漫画家なんかに置き換えても成立すると思う。本書はホットドック屋台ではなく、大当たりの可能性がある博打要素の強い分野で自営業をする際のマネジメント教本ととらえるべき。リスクの取り方や人材確保とか、とても身に染みる。良書。訳も良い