IT投資が減速傾向にあるなか、提案力強化や提案人材の育成がベンダーの重要な経営課題となっています。その背景には、システム提案競争の厳しさが増していることがあげられます。顧客が、システム発注にかかわる制度を充実させていることも見逃せません、その影響もあり、これまで付き合いがあったベンダーへの特命受注が減り、競争入札が増えています。
  しかし、このような状況下でも、常に高い勝率を誇るベンダーやコンサルティング会社、提案者が存在します。なぜ、彼らは高い勝率を維持できるのでしょうか。
  本書では、提案で成功している企業・人が共通して身につけているノウハウを19のポイントに整理して、その手法と活用方法を紹介します。 
序論:現状認識
  厳しさが増す提案競争に勝つためのポイントがある
原則1:引き合い前の活動
  競争相手よりも先にテーマを見つけ、充実した準備を行なう
  
  ポイント1 顧客の潜在需要を刺激して、提案するテーマを明らかにする
  ポイント2 継続的なコミュニケーションで、顧客のテーマ推進を支援する
  ポイント3 事例を手みやげに、「いつでも会える顧客」を増やす
  ポイント4 提案計画の仮説を作り、計画的に推進する
原則2:新たなテーマの創出
  自社の実績とシステムベンチマークから、新たなテーマを生み出す
  
  ポイント5 顧客に提供できる革新策を実績から取り出し、新たな市場を開拓する
  ポイント6 競争相手や先進異業種の革新実態を調べ、新規テーマを生み出す
  ポイント7 提案方法とリソース調達計画を徹底的に詰め、自分の領域を拡大する
原則3:提案 1
  経営課題を解決し、経営に貢献するシステムを提案する
  
  ポイント8 革新策を充実させ、顧客経営者に訴求する
  ポイント9 実績を活かし、顧客が気づいていない問題を見抜く
  ポイント10 ディスカッションを通じて、書面に書かれていない顧客の意図を突きとめる
原則4:提案 2
  知見を結集し、差異化・信頼獲得を行なう
  
  ポイント11 知見を結集させ、競争相手のつけ入る隙を残さないようにする
  ポイント12 顧客がベンダーを選ぶ本当の理由を知り、勝つためのメッセージを作る
原則5:提案 3
  提案したものを失敗せずに実現する方法を盛り込む
  
  ポイント13 課題を出しつくし、動かないシステムにしない
  ポイント14 事前にシミュレーションし、妥当な遂行方法を決める
  ポイント15 徹底的に先を見通し、顧客の意向を超えるプロセスをもつ
原則6:日頃の準備 1
  自社の強みを最大限引き出す仕組みを完成させる
  
  ポイント16 強みを活かした「勝ちパターン」を作る
  ポイント17 「強みを活かせる顧客」を探すアプローチ手法を身につける
原則7:日頃の準備 2
  事例の知識を行動規範を充実させ、提案競争に勝つ
  
  ポイント18 事例の知識を充実させ、創造力と説得力を高める
  ポイント19 徹底的に詰めきる、プロとしての行動規範を確立する
オオカワマサシ さん
単なるシステム提案型営業のノウハウ本として読んでも面白いですし、チーム営業、(本来の意味での)セールスフォースの重要性がとてもよく解る本です。