最近のハードディスクは、単に容量が大きくなっただけでなく、接続方式も含めてどんどん進歩しています。また、RAID(レイド)と呼ばれる技術が低価格で活用できるようになってきたため、複数のハードディスクをまとめて大きな1台のハードディスクとして使ったり、あるいは1台のハードディスクが壊れてもデータが消えないような、きわめて安全性の高いディスクシステムを作ったりできます。
  本書では、こうした重要な部品であるハードディスクについて、その原理や構造からはじめて、基本的な扱い方やさまざまな活用テクニックはもちろん、ハードディスク関連のツール的なソフトまで、幅広く解説しています。
  特にRAIDについては、Windows 2000/XPが標準で持っているソフトウェアRAID機能や、市販のRAID用拡張ボードの使用例など、詳しく解説しています。(本書「はじめに」より)
Chapter 1 活用の基礎になる知識
  
  1 ハードディスクのハードを知る
  読み書きの原理
  ハードディスクの構造
  同じ容量でも内部の「ディスク枚数」が違う?
  ハードディスクの「回転数」とは
  静かで効率のいい「流体軸受け」とは
  ハードディスクの「キャッシュメモリ」とは
  ハードディスクの「転送速度」とは
  外置き用ハードディスクの接続方式
  内蔵型ハードディスク接続のポイント
  
  2 パーティションとドライブをより深く理解する
  「A:」「C:」などのドライブ文字のルール
  「ディスク装置」と「ドライブ」の関係
  パーティションの基礎知識
  ハードディスクの「ブートレコード」とは
  Windows XPのパーティション操作機能を見る
  ディスクの「ファイルシステム」とは
  FAT32とNTFS
  NTFSにもいろいろある?!
  
  3 ハードディスクのメンテナンス
  ハードディスクにも「寿命」がある?!
  定期的に動作チェックしておこう
  コマンドを利用した高度なチェック法
  速度を低下させる「断片化」の話
  断片化対策は定期的な「デフラグ」
  不要な一時ファイルを削除する
  安全対策の基本は「バックアップ」
  ハードディスクの大敵は「振動/衝撃」と「高音」
Chapter 2 実践的な活用術
  
  1 より使いやすいディスク環境にするテクニック
  「D:」「E:」などのドライブ文字を変更する
  ドライブのラベル(テキスト)を自由に変更する
  ソフトを速くする「作業用フォルダ」の設定テクニック
  ごみ箱の仕組みと詳細な容量設定テクニック
  「ごみ箱」という名称を自由に変更できるようにする
  「マイドキュメント」を他のドライブに置く
  他のドライブを「マイドキュメント」内のフォルダにする
  フォルダを仮想的にドライブ扱いにする
  特定のドライブを隠す
  ノートパソコンでハードディスク容量を増やすには
  
  2 知っていると差のつく活用テクニック
  フォルダアイコンを変更する
  フォルダのツリー構造をテキストファイルに書き出すテクニック
  NTFSはファイルやフォルダを個別に圧縮設定できる
  ソフトはC以外のドライブにもインストールできる
  ドライブのフォーマットや容量の情報を見る
  ハードディスクの機種名や性能を調べる方法
  任意サイズでテスト用の巨大ファイルを作るコマンド
  FAT32のドライブをNTFSに変換するツール
  NTFSドライブを完全抹消するコマンドがある
  内蔵用ハードディスクを簡単にUSB接続する市販ツール
  「物理フォーマット」のやり直しでハードディスク復活?!
  パソコンやハードディスクの安全な廃棄法
  ハードディスクの「データ修復」を請け負う業者もある
  
  3 市販ソフトを活用する
  とても便利な市販の「パーティション操作」ソフト
  ドライブを丸ごと「バックアップ」する市販ソフト
  ディスク上のデータを「完全抹消」する市販ソフト
  ハードディスクとWindowsを点検する市販ソフト
  ハードディスクの機械的な寿命を診断する市販ソフトもある
  
  4 パソコンが起動できなくなった!
  まず「どの段階で止まったか」を判断する
  Windowsが起動しない場合はセーフモードを試す
  起動不能ハードディスクを他のパソコンにつないで救済する
  ハードディスクを他のパソコンにつなぐ際のセキュリティの問題
Chapter 3 高度なディスク管理機能の活用術
  
  1 セキュリティに関わるテクニック
  ユーザーの種類とAdministratorの話
  Windows XPでセキュリティ機能を利用する方法
  フォルダにユーザー別の使用権を設定する
  「制限」ユーザーがディスクに書き込めない?!
  セキュリティ設定は管理者権限があれば誰でも解除できる!
  セキュリティ設定したハードディスクを他のパソコンにつなぎ替えると・・・
  フォルダの内容を暗号化する
  暗号化機能を安全に使うためのテクニック
  フォルダ単位で暗号化機能を禁止(警告)するテクニック
  
  2 マイクロソフトの上級者用ツールを活用する
  上級者用ツールとは
  ツールをインストールする
  コマンドの概要
  Dskprobe.exe(Disk Probe)
  diruse.exe(Directory Disk Usage)
  dmdiag.exe(Disk Manager Diagnostics)
  efsinfo.exe(Encrypting File System Information)
  filever.exe(File Version)
  
  3 ダイナミックディスク機能を活用する
  ベーシックディスクとダイナミックディスクとは
  ダイナミックディスクでできること
  ダイナミックディスクを使う際の注意点
  ベーシックディスクとダイナミックディスクを変換する
  Windows XPで新規ボリュームを作成する手順
  既存ボリュームに空き領域を追加して拡張してみる
  複数ボリュームからなるドライブの削除について
  他のパソコンで作ったダイナミックディスクを認識する方法
  スパンボリュームとストライプボリュームについて
  
  4 クォータ機能で個人別に容量を制限する
  クォータ機能とは
  各ユーザーの使用可能容量を設定する手順
  管理が始まるタイミングと管理者による状況のチェック法
  ユーザーごとに設定容量を変える方法
Chapter4 RAIDの活用術
  
  1 RAIDの基礎知識
  RAIDとは
  ハードウェアRAIDとソフトウェアRAID
  RAIDの種類
  RAID0の仕組みを理解する
  RAID1の仕組みを理解する
  RAID0+1の仕組みを理解する
  RAID5の仕組みを理解する
  RAIDではないが「スパニング」も関連機能
  
  2 Windows XPのスパニング機能で複数のボリュームをまとめる
  機能の概要
  使用する機能は「スパンボリューム」
  スパンボリュームのメリット/デメリット
  ここで例として使う環境
  設定の手順
  結果を確認する
  もう少し単純な類似機能もある
  
  3 Windows XPのストライピング機能(RAID)で高速化する
  機能の概要
  使用する機能は「ストライプボリューム」
  ストライプボリュームのメリット/デメリット
  ここで例として使う環境
  設定の手順
  結果を確認する
  
  4 RAID用拡張ボードのストライピング機能(RAID0)で高速化する
  機能と使用する機器の概要
  拡張ボードを使うメリット/デメリット
  ストライピングのメリット/デメリット
  機器の接続方法
  RAIDの設定手順
  パーティションを作ってフォーマットしてから使う
  結果を確認する
  
  5 RAID用拡張ボードのミラーリング機能(RAID1)で高信頼化する
  機能と使用する機器の概要
  ミラーリングのメリット/デメリット
  RAID1には拡張ボードが必要?!
  機器の接続方法
  RAIDの設定手順
  パーティションを作ってフォーマットしてから使う
  結果を確認する
  片方のディスク装置が壊れた場合の応急処置
  ディスク装置を交換してRAIDを再構成する
  
  6 RAID用拡張ボードのRAID5機能で信頼性の高い大容量ドライブを作る
  機能の概要
  RAID5のメリット/デメリット
  ここで例として使う機器
  機器の接続方法
  RAIDの設定手順
  パーティションを作ってフォーマットしてから使う
  結果を確認する
  ディスク装置を1台はずしても使えた!
  ディスク装置を交換してRAIDを再構成する