製造業は、日本が世界に誇れる代表的な産業。
そんな製造業の効率化を支えるのが「生産管理システム」です。本書は、泥臭いと言われながらも堅実に合理化の道を歩んでいる生産管理システムの入門書です。競合関係にある生産管理パッケージベンダ3社のキーマンが、個性豊かにそしてまじめに楽しくお伝えします。著者陣のたずさわった生産管理システムの現場を伝えながら、システム構築やDB設計のノウハウをきっちり網羅。章末にある練習問題では、理解度もしっかりフォローできる一冊です。
もちろん、息抜きにぴったりのカクテルレシピもついています。
本書は月刊DB Magazineの人気連載「グラス片手にDBデザイン 会計システム編」を加筆/再編集し、書籍としてまとめたものです。
CHAPTER 1 生産管理システムの全体像
生産管理システムのスコープ
生産形態の違いと混在/変化を理解しよう
生産管理システムの全体像
生産組織の役割分担
まとめ
CHAPTER 2 生産管理システムの「モノ」に関わるマスタ情報
生産管理は“モノ”の情報が大事
品目とは?
生産管理システムの花形、BOM
工程表
まとめ
CHAPTER 3 「モノ」を管理するための補助的なマスタ
システムの奥行きを担う「時」「人」「場所」
「時」を管理するためのマスタ
「人」を管理するためのマスタ
「場所」を管理するためのマスタ
まとめ
CHAPTER 4 システムのトリガーとなる「生産管理」を理解する
生産計画の特徴(1)~計画性と実績系~
生産計画の特徴(2)~バリエーションの豊富さ~
生産計画の流れ(1)~中長期計画~
生産計画の流れ(2)~シンプルな基本パターン~
生産計画の流れ(3)~改善ポイントその1~
生産計画の流れ(4)~改善ポイントその2~
所要量展開(MRP)処理の概要
まとめ
CHAPTER 5 所要量展開(MRP)を理解する
MRPの意味
MRPで生成されるもの
MRPで考慮すべきこと
MRPで考慮すべきこと(応用編)
MRPの前に
MRP処理の流れ
レベルバイレベル展開
MRPの運用に関連する機能
MRPの運用について
スケジューラとの連携
まとめ
CHAPTER 6 購買管理(発注、入荷/受入、検収)のDB設計
発注から入荷/受入そして検収
発注業務のDB設計
入荷/受入、受入返品業務のDB設計
受入検査業務のDB設計
検収業務のDB設計
検収返品のDB設計
まとめ
CHAPTER 7 購買管理(外注委託)の業務とDB設計
外注委託業務の流れ
支給品のDB設計
消費のDB設計
まとめ
CHAPTER 8 工程管理(製造指図/製造実績)を学ぶ
工程管理業務の流れ
工程の違いによる考慮点
作業指示のDB設計
完成実績のDB設計
消費のDB設計
「工数実績」のDB設計
まとめ
CHAPTER 9 在庫管理(受払管理/在庫状態)を理解する
在庫情報のDB設計
払出業務のDB設計
払出指示情報のDB設計
払出データのDB設計
「払出データ」と「支給データ」の統合
棚卸業務について
在庫調整データのDB設計
生産管理システムでの考慮点
まとめ
CHAPTER 10 「品質管理」を極める
品質管理システムの重要性
検査について
ロットレース機能
生産管理システムによる品質レベル向上
まとめ
CHAPTER 11 「原価管理」基礎の基礎
原価管理を取り上げる理由
原価管理システムの重要性
原価管理がなぜ難しいのか?
原価の構成
標準原価と実際原価
原価管理の流れ
差異分析について
生産管理システムとの関係
原価計算の進め方(配賦について)
原価関連のテーブル
標準原価計算の流れ
実際原価計算の流れ
まとめ
CHAPTER 12 生産管理におけるシステム適用範囲の広がり
3人のシェフの共演はいかがでしたか
シックスシグマ
設計―生産サイクルの短縮化
まとめ
付録 生活管理システム用語集
まめ知識
消費材と生産材
原材料の投入と仕掛品
適用開始日をキー項目に入れる場合、入れない場合
意味あり?意味なし?
BOMのタイプ
品目マスタ/BOMの応用編
段取り
担当者情報と人事情報の分離
仕掛への投入タイミング
受注生産?見込生産?
営業と生産の管理単位
製番管理の場合
注文書の形式
ロットまとめ
下請法
業務のスルーパス
有償支給は面倒くさい?
工程ごとに完成実績が必要な場合
預け倉庫からの払い出し
工程在庫の管理
判定結果
貸率とは
個別原価管理と総合原価管理
生産計画のシミュレーション
リードタイムと引き付け発注
ロバスト設計(デザイン)とは
コラム
「かんばん」と「カンバン」
本書の執筆陣が携わっている生産管理パッケージソフトウェア
競合だけど共同執筆することになった理由
生産管理はなぜ難しいのか
BOMの重要性
生産管理はなぜ難しいのか
“計画系”はできるだけシンプルに!
需要予測は当たらない?
MRPはなぜ重要なのか
スケジューラについて
生産管理は運用も難しい
「人間系」も立派なシステム
製造業の品質管理
原価管理の精度について
生産管理は営業と工場の協調のための接着剤
今日のカクテルメニュー
第1章 Cosmopolitan(コスモポリタン)
第2章 Scorpion(スコーピオン)
第3章 Gin&it(ジンアンドイット)
第4章 Around The World(アラウンドザワールド)
第5章 China Blue(チャイナブルー)
第6章 Mexican El Diablo(メキシカンエルディアブロ)
第7章 Golden Cadelac(ゴールデンキャデラック)
第8章 Shanghai Highball(上海ハイボール)
第9章 Iguana(イグアナ)
第10章 Sky Diving(スカイダイビング)
第11章 Yukiguni(雪国)
第12章 Boston Cooler(ボストンクーラー)
なお さん
2020-09-21
大まかな全体感がわかる。
おかな さん
2020-03-02
今まで工場の仕組みだけについての本はいろいろあったけど、データベースのことまで書いてくれている本はあまりなかったのでとても役に立った。工場で使われているのデータベースの関係が少しイメージできるようになった。
solaris さん
2019-02-01
システムエンジニアには必須ではなかろうか。生産管理と聞くと製造業を思い浮かべるが、IT業界やサービス業であっても、何かを生み出すことに変わりなく、生み出す=生産することの管理はどんな業界・会社においても通用する概念であるため。しかもデータベース設計のエッセンスまで解説してくれているので、業務システムエンジニアにこの本を読まない理由はない。