エベレット・ロジャーズ (著) , 三藤 利雄(翻訳) , 三藤 利雄(原著)
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本書は初版刊行時から40年を経て現在(2007年)第5版、5,000以上の文献の分析を重ね、最新の研究やトピックを盛り込み、「イノベーションはどのように伝播していくのか?」という問いに理論的かつ経験的に解明する。
コミュニケーション、マーケティング、コンピュータ・ネットワークの社会的利用、開発経済などの基礎理論を知る上で必携の書である。
新技術、新製品、新ライフスタイルなどのイノベーションは社会に新たな選択肢や手段を提供することで「不確定性」を増大させる。
インターネット情報機器はどのように流行し、そして世界的なテロ行為はどのように伝わっていったのか。
このような新たな不確定性に対処するために人々は「情報探索」を行なうように動機づけられるのである。
第1章 普及の要素
普及とは何か
イノベーションの普及に関わる主要四要素
本章の要約
第2章 イノベーションの生成
イノベーションの発展過程
イノベーション発展過程を追跡する
本章の要約
第3章 イノベーション決定過程
イノベーション過程のモデル
知識段階
説得段階
決定段階
導入段階
確認段階
イノベーション決定過程には複数の段階が存在するか?
イノベーション決定過程の段階ごとのコミュニケーション・チャンネル
採用者カテゴリーとコミュニケーション・チャンネル
イノベーション決定期間
インターネットとイノベーション決定過程
本章の要約
第4章 イノベーション属性とその採用速度
採用速度
イノベーション属性に関する調査
相対的優位性
両立可能性
複雑性
試行可能性
観察可能性
本章の要約
第5章 革新性と採用者カテゴリー
革新性に基づくカテゴリーの分類
理念型としての採用者カテゴリー
採用者カテゴリーの特質
本章の要約
第6章 普及ネットワーク
コミュニケーションの流れモデル
コミュニケーション・ネットワークにおける同類性と異類性
オピニオン・リーダーシップとネットワーク連結の測定
単形的および多形的オピニオン・リーダーシップ
オピニオンリーダーの特性
普及ネットワーク
双方向イノベーションにおけるクリティカルマス
本章の要約
第7章 チェンジ・エージェント
ターゲティング
連結役としてのチェンジ・エージェント
チェンジ・エージェントの成功要因
コミュニケーション・キャンペーン
同類性とチェンジ・エージェントの接触
オピニオン・リーダーの活用
クライアントの評価能力
集中型および分散型普及システム
分散型普及の優位性と劣位性
本章の要約
第8章 組織におけるイノベーション
イノベーション決定の種類
組織
組織の革新性
組織におけるイノベーション過程
イノベーション過程の諸段階
組織におけるICT
本章の要約
第9章 イノベーションの帰結
帰結を結ぶ
帰結の分類
イノベーションの外観、機能、そして意味
動的均衡を得る
イノベーションの帰結がもたらす平等
本章の要約
Kiyoshi Utsugi さん
2019-10-13
米国で「Diffusion of Innovations」の第5版として2003年に出版されたものの日本語版になります。 第5章の「革新性と採用者カテゴリー」において、 ・イノベーター ・初期採用者 ・初期多数派 ・後期多数派 ・ラガード の話が展開されています。 ただ、ここではキャズムは想定されていません。 また第5版は比較的最近なので、デジタルデバイドやICTにも触れられています。 この本は、ジェフリー・ムーアの「キャズム」の中で紹介されていたので、そこで知りましたが中々読み応えのある本でした。
このこねこ@年間500冊の乱読家 さん
2021-07-25
⭐⭐⭐ イノベーター理論の提唱者エベレット・ロジャーズの代表作。 アーリーアダプターやラガードのグラフが有名ですが、あれ自体はロジャーズの研究のほんの一部に過ぎないことがわかりました。 テクノロジー以外の普及にも適用できるとわかったのも、大きな収穫でした。
papercut さん
2021-01-31
結局、一ヶ月立たずに精読で再読。これは非常に勉強になる本。広く「イノベーション」という概念が「社会」に普及することに関わるあらゆることを丁寧に論じている。ビジネス的に言えば、イノベーションを広げていく使命を持つときは多く、その場合への示唆の材料がいろいろ埋め込まれている。マーケティングとかファシリテーションとか個別技術も大事だが、この本で統一的な大本を抑えておくのは思考の底上げになるだろう。