本書は、ソフトウェアテスト初心者のITエンジニアに向けて、テストの基本知識を解説した入門書です。現場で実施されるテスト手法の基礎やポイント、心得など、ITエンジニアにとって必要不可欠な情報を、テスト界の第一人者である著者がわかりやすく解説しています。
10年ぶりのリニューアルでは、定番入門書としてのわかりやすさ・読みやすさはそのままに、内容の充実度をさらにパワーアップ。開発現場や時代の変化に合わせて、用語や記述を全面的に見直すとともに、「AIを活用したテスト」や「カオスエンジニアリング」など、新たなニーズに応えるトピックも追加収録しています。
開発現場に入りたての初級エンジニアはもちろん、新人を育成するメンターや先輩の立場にいる方にもおすすめの一冊です。
【目次】
●第1章 はじめに
●第2章 ソフトウェアテストの基本 ―ホワイトボックステスト―
●第3章 エンジニアが最もよく使う手法 ―ブラックボックステスト―
●第4章 探索的テスト
●第5章 要求仕様のテスト
●第6章 非機能要求のテスト ―困難さとの闘い―
●第7章 テストの自動化という悪魔 ―なぜ自動化は失敗するのか―
●第8章 ソフトウェアテスト運用の基本 ―テスト成功の方程式―
●第9章 ソフトウェア品質管理の基本 ―ソフトウェア品質のメトリックス―
●第10章 新しいテスト技術
【著者情報】
高橋寿一(たかはしじゅいち)
情報工学博士。1964年東京生まれ。フロリダ工科大学大学院にてソフトウェア工学修士、Cem Kaner博士、James Whittaker博士にソフトウェアテストの指導を受けた後、広島市立大学大学院にてソフトウェアテスト研究により博士号取得。米Microsoft社・独SAP社でソフトウェアテスト業務に従事後、日本大手電機会社勤務(現職)。主な著書に『ソフトウェア品質を高める開発者テスト 改訂版』(翔泳社)、共著に『現場の仕事がバリバリ進む ソフトウェアテスト手法』(技術評論社)がある。
●第1章 はじめに
1.1 テスト担当者の心得 ─先人の言葉に学ぶソフトウェアテストの奥義─
1.2 完全無欠なソフトウェアテストは可能か? ─100万のテストケースでも十分とはいえない─
●第2章 ソフトウェアテストの基本 ―ホワイトボックステスト―
2.1 どんなテスト手法が有効か
2.2 プログラムの振る舞いをテストする ─制御パステスト法─
2.3 大人気ゲームソフトのバグ
2.4 ステートメントカバレッジ
2.5 ブランチカバレッジ
2.6 カバレッジ基準
2.7 カバレッジテストで検出できないバグ
●第3章 エンジニアが最もよく使う手法 ―ブラックボックステスト―
3.1 ブラックボックステストの基本 ─境界値分析法─
3.2 バグの住む場所を探す ─境界値分析法─
3.3 複雑な入出力のためのテスト ─ディシジョンテーブル─
3.4 GUIをテストする ─状態遷移をテストする─
3.5 ブラックボックステストのまとめ
●第4章 探索的テスト
4.1 テストケースベースのテスト ─versus探索的テスト─
4.2 探索的テストのサンプル
4.3 非機能要求に対する探索的テストのアプローチ
4.4 探索的テストのまとめ
●第5章 要求仕様のテスト
5.1 漠然たるユーザー要求を機能要求に落とし込む
5.2 要求に優先順位をつける
5.3 テスト可能な要求
5.4 ユーザーストーリーと要求
●第6章 非機能要求のテスト ―困難さとの闘い―
6.1 期待通りの性能を引き出すために ─パフォーマンステスト─
6.2 攻撃に耐え得るソフトウェアの構築 ─セキュリティテスト─
6.3 信頼性ってちゃんと知ってます? 知ったかぶりしてません? ─信頼度成長曲線─
●第7章 テストの自動化という悪魔 ―なぜ自動化は失敗するのか―
7.1 その自動化ツールは役に立っていますか? ─テスト自動化の功罪─
7.2 テスト担当者が陥りやすい罠 ─テスト自動化の本当の問題点─
7.3 自動化設計戦略
7.4 新たなソフトウェアテストのステージ
●第8章 ソフトウェアテスト運用の基本 ―テスト成功の方程式―
8.1 最悪のソフトウェアを出荷しないようにするには ─コストと品質のバランス─
8.2 テストプランの書き方 ─IEEE 829テストプランテンプレート─
8.3 テストケースの書き方 ─効率的なテストケースの作成と管理─
●第9章 ソフトウェア品質管理の基本 ―ソフトウェア品質のメトリックス―
9.1 品質を目に見えるものにするには ─メトリックス選択の基本─
9.2 バグの数を管理するバグメトリックス
9.3 コード行数からわかる意外な事実 ─ソースコードメトリックス─
9.4 複雑なコードほどバグが出やすい ─複雑度のメトリックス─
9.5 Microsoftはどんなメトリックスを使っているのか ─無駄のないメトリックス選択の例─
9.6 汝、人を謀る(測る)なかれ ─メトリックスの間違った使い方─
9.7 アジャイルメトリックス
●第10章 新しいテスト技術
10.1 AIをとりまくテスト
10.2 複雑なシステムのテスト ─テストは無限大─