本書が解説する「キャズム理論」は、いまや米国のみならず世界中の常識となったマーケティング理論です。
今回の改訂により、成功例/失敗例を問わず、すべての事例が刷新されたほか、ハイテク市場の発展段階をまとめた「トルネード理論」の概要と、ネットビジネスの急成長モデルとして「フォー・ギアズ・モデル」の解説が新たに加わりました。自社製品の生き残りをかけている企業の経営者、営業/マーケティング担当者、必読です!
事例:“キャズム”を越えたサービスや製品
無線LAN、3Dプリンター、SNS、クラウドソリューション、ハイブリッド自動車、スマートフォンなど。
序章 マーク・ザッカーバーグが億万長者になれるなら
第1章 ハイテク・マーケティングー錯覚
テクノロジー・ライフサイクル
ハイテク・マーケティング・モデル
事例
錯覚と知覚 ベル・カーブに潜むクラック
最初のクラック
もう一つのクラック
キャズムを発見する
キャズムに横たわる亡がら
あるハイテク企業の物語
第2章 ハイテク・マーケティングー悟り
原理
初期市場
初期市場の構造
メインストリーム市場
メインストリーム市場の構造
キャズムの再検証
第3章 Dデー
キャズムに潜む危険性
メインストリーム市場への険しい道
火を熾す方法
マイクロソフトの場合
ニッチ市場の次は?
キャズムを越えた成功事例
事例その1 ドキュメンタムーコンテンツ管理
事例その2 セールスフォース・ドットコムーSaaS
事例その3 ヴイエムウェアー破壊的な仮想化プラットフォーム
理論から実践へ
第4章 攻略地点の決定
ハイリスク・ローデータ環境での意思決定
情報に基づく直観
ターゲット・カスタマーの特徴づけ シナリオの活用
事例 3Dプリンター
サンプル・シナリオ
シナリオの検証 市場開発戦略のチェックリスト 150 攻略地点に対する信念
妥当な市場規模
本章のまとめ ターゲット・マーケットの選び方
第5章 部隊の集結
ホールプロダクトの考え方
ホールプロダクトとテクノロジー・ライフサイクルの関係
ホールプロダクト構築計画
ホールプロダクトの簡略モデル
事例再掲 3Dプリンター
事例
パートナーと提携企業
本章のまとめ ホールプロダクトを構築するときの留意点
第6章 戦線の見定め
競争を作り出す
競争力を高めるポジショニング
競争を作り出す 要点
ポジショニング
ポジショニング・プロセス
裏づけの変遷
ホールプロダクトの発表
本章のまとめ 「競争力を高めるポジショニング」に関するチェックリスト
第7章 作戦の実行
顧客を満足させる販売チャネル
直販と企業による購入
ウェブによるセルフサービスと個人による購入
セールス2・0と部門管理者による購入
二層のチャネルとデザインエンジニア
付加価値再販業者と中小企業のオーナー
販売チャネルを満足させる価格設定
本章のまとめ 作戦の実行
終章キャズムを越えて
財務上の決断 ホッケースティックを折る
ベンチャー投資家の役割
ベンチャー企業経営者の役割
組織の改革 開拓者から移民へ
新たな職務
報酬に対する考え方
R&D部門についての決断 プロダクトからホールプロダクトへの移行
今後のハイテク・マーケティング
本書を終えるにあたって
補足1ハイテク市場の発達段階
補足2デジタル市場のフォー・ギアズ・モデル
ひろき@巨人の肩 さん
2016-12-29
Febeにて。一つのハイテク製品おいてテクノロジーライフサイクルの観点で消費者の変遷から考えるマーケティング理論。テクノロジーマニアとビジョナリーからなる初期市場と実利主義者、保守派からメインストリーム市場には大きなキャズムが存在する。キャズム攻略にはマーケティングセグメンテーションによる橋頭堡の設定とボーリングレーン戦略、コアプロダクトからホールプロダクト開発への切り替え。いかに「小さい池の大きな魚になれる」か。
犬こ さん
2017-01-04
アーリー・マジョリティやレイト・マジョリティによって構成されるメジャー市場のあいだには、容易には越えがたいキャズム(深い溝)があり、これを越えたとしても継続し続けるのにまたマーケティング戦略が必要。市場を制するにはあらゆる戦略網が張られていることに驚かされます。
イノベーター さん
2015-02-24
初版を読んでいたけれど、2が出たきっかけで読み直して良かったです。 すごく高い解像度で、新しいテクノロジーをマーケティングするための方法論と、やってしまいがちな失敗が書かれていてビックリ。