ローレンス・レッシグ(著) , 山形 浩生(翻訳) , 山形 浩生(原著) , 守岡 桜(翻訳) , 守岡 桜(原著)
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コピーコントロールCD(CCCD)や、Winny開発者逮捕など、日本でも「インターネット+新しい技術+法」の側面で話題が沸騰している。本書は、アメリカでの著作権にまつわる主張や訴訟沙汰に見られる多くの極端さや、文化保護に貢献するとは思えない事例を取り上げ、「歴史上、文化の発展をこれほど少数の人々がここまでコントロールする法的権利を持っていたことは未だかつてないのだ」と警鐘をならす。そして、常識的におかしいことがおかしいとして否定されるような現状の問題を再構築しなくてはならない。著作権分野で、それが可能なことがいくつかある。著者自身の著作権延長違憲裁判の解説や、裁判後の動き、憲法に対する思いをつまびらかにし、その解決の糸口になる具体的手段として、登録制・更新制を採用した著作権制度改定や、クリエイティブ・コモンズという新しい概念を提案する。
日本語版への序文
序
はじめに
海賊行為
第1章 クリエータ
第2章 ただの猿まね屋
第3章 カタログ
第4章 「海賊たち」
第5章 「海賊行為」
財産
第6章 創設者たち
第7章 記録者たち
第8章 変換者たち
第9章 コレクターたち
第10章 「財産」
謎
第11章 キメラ
第12章 害
バランス
第13章 エルドレッド
第14章 エルドレッドII
結論
あとがき
隗より始めよ
そして次には本丸を
謝辞
訳者あとがき
注
roughfractus02 さん
2018-06-02
前2著以上に本書は現実世界を中心に据え、法、市場、規範、アーキテクチャの4規制をさらに検討する。サイバー法学の現実世界でのテーマは著作権であり、自由かつ無料(free)を理想とし、オープンソースによって創造されるサイバー空間におけるソフトウェアの特許取得が、アーキテクチャの規制を強化し、現実世界にまでコードの支配を推し進めると著者は批判する。著者は、クリエイティブ・コモンズによるパブリック・ドメインの再構築や著作権期間の短縮が、現行の著作権で利益を独占する巨大メディア企業への対抗策と考える(2005刊)。
KABOOM!™(かぶーん) さん
2014-07-16
知的所有権に利権をからめて私服を肥やそうとしていた旧来のメディア大手企業が、ネットという新しい空間の中で相対化されつつあり、ミックス文化のようなフリーなリソースを使った新しい文化の発展を疎外するように動いたり、自分たちの既得権益を守ろうとしてて、法もまた彼らの権利を守る為に働いているという次第です。知的所有権への消費者の対応の仕方について、倫理的な問題を敢えて排していたのが如何にも法学者ですが、指摘の大部分は最もだし、これも多くの人に読まれるべきではないかと。
SnowFlakeShow さん
2013-05-30
レッシグ先生の前著『CODE』を読んだことがあるが,理念的で素人の自分には半分も理解できなかった.その点,本書は具体例を豊富に挙げて説明しているので大変分かりやすい.