「子ども食堂」の活動が全国に広がるにつれ、「貧困」状態にある子どもの支援だけでなく、
相談できる人が身近にいない保護者の「子育て支援」の場として、
また、孤立しがちな高齢者を巻き込んだ「地域コミュニティ再生」の場としても大きな注目を集めています。
その一方で、立ち上げや運営には、適切な資金計画、安全・衛生管理、参加者募集の方法など、
さまざまなノウハウが必要となるため、
「参加者が集まらない」「資金的に継続が難しい」といった課題を抱えている子ども食堂も少なくありません。
本書では、静岡市内で6か所の子ども食堂を成功に導く経験豊富な著者が、
地域に愛され、必要とされ続ける子ども食堂をつくるためのノウハウを具体的かつ、わかりやすく紹介します。
★本書の特徴★
・子ども食堂の立ち上げ方と運営の仕方をフローチャートで紹介。
初めてでも何をすべきかが一目でわかる!
・「立ち上げ方」では、つまづく人の多いお金の集め方・使い方から、
効果的なチラシのつくり方まで手取り足取り解説!
・「運営の仕方」では、よく出合うトラブルQ&A、
スタッフミーティングのコツなど、活動の質を上げるための方法を紹介!
・子ども食堂を通して人々や地域がどう変わるのか?
子どもやスタッフのエピソードを交えて紹介。
子ども食堂のことを知りたい・勉強したいという方にもおすすめの一冊です!
★著者情報★
飯沼 直樹(いいぬま なおき)
1970年静岡市生まれ。一般社団法人バンビワゴン代表理事、静岡市子ども食堂ネットワーク理事長。
自身の子ども時代の体験や子育ての経験から子育て支援活動に関心を持ち、
移動型授乳施設バンビワゴンでの幼い子どもがいるお母さんのサポート、子ども食堂の開設、
そして地域活性化に関するイベントの開催など、さまざまな活動を行っている。
2017年には、これまで培ったノウハウを活かして
子ども食堂の立ち上げ・運営をサポートする静岡市子ども食堂ネットワークを設立。
子育て支援や子ども食堂の活動について、テレビや新聞でのメディア掲載や企業・行政での講演実績も多数。
静岡市子ども食堂ネットワークの紹介
国・都道府県による、「子ども食堂」支援施策の例
1 笑顔があふれる子ども食堂をつくりたい
2 なぜ今、子ども食堂が必要とされているのか?
3 子育て支援の場としての子ども食堂
4 地域活性化の場としての子ども食堂
5 理想の子ども食堂をイメージしてみよう
【フローチャート】子ども食堂の立ち上げまでにすべきこと一覧
1 子ども食堂のコンセプトを考えよう
2 地域のニーズを把握し、コンセプトをブラッシュアップしよう
3 お金の計画を立て、活動内容を具体化しよう
4 お金を調達する方法を考えて、実行しよう
5 開催エリアと会場を決定しよう
6 スタッフを募集しよう
7 行政・企業などに相談して情報を収集しよう
8 衛生管理と危機管理。「もしも」の場合を想定しておこう
9 必要な保険には必ず入っておこう
10 開催地の学校・自治会などの協力を仰ごう
11 告知内容と献立を決定しよう
12 参加者を募集して、問い合わせに答えよう
【フローチャート】子ども食堂開催当日~開催直後にすべきこと一覧
1 本番前にしっかり計画を立てよう
2 いよいよ本番、楽しくかつ安全に運営しよう
3 よく出合うトラブル対処法~子ども対応編~
4 よく出合うトラブル対処法~保護者・スタッフ編~
5 事後の振り返り①反省会を行い運営の質を上げよう
6 事後の振り返り②次回の計画を立てよう
1 食事提供以外の活動に挑戦してみよう①学習支援・体験学習
2 食事提供以外の活動に挑戦してみよう②地域交流・世代間交流
3 配慮が必要な子ども・保護者との接し方の基本
4 タイプ別に見た、子ども・保護者との接し方
5 来てくれる子どもが増えないときにすべきことは?
6 参加人数が増えてきたときに考えるべきことは?
7 スタッフを増やす/継続してもらうためには?
8 連携団体・企業を増やす/継続してもらうためには?
9 行政との関わり方のコツ
10 継続のために、お金の問題を考えよう
1 今だけでなく、数年後を見据えて活動しよう
2 子どもたちのために、という思いを貫こう
3 子ども食堂を、みんなの居場所にしよう
1 私が子ども食堂を立ち上げた理由
2 子ども食堂の立ち上げで苦労したこと
3 私が出会った子ども
PONSKE さん
2019-04-08
「必要性とハードルの高さ」 子ども食堂の概要、始め方、運営方法を順を追って説明してくれる本。貧困・孤食支援に限らず子育て支援や地域復興にもなり、その意義は大きい。ただ、コンセプトや地域ごとのニーズが異なることや、資源の確保や衛生面のリスク管理、地域の理解など考慮する点も多い。長期的な準備をコツコツと続けられるかが、始める上で大切だと思った。
G-dark さん
2018-03-03
子ども食堂=経済的に困っている世帯の子どものためのもの、というイメージがありますが、実際は皆のための場所でもあります。地域の人たちが子ども食堂に集まって、皆でおしゃべりをしたり、食事をしたり、運営をすることで、みんなの生きがいづくりや仲間づくりにも繋がります。この本は、子ども食堂を立ち上げるために用意すべき物、費用の目安、受けるべき講習、入るべき保険、資金やスタッフの集め方、行政とのやり取りなどといった、子ども食堂を立ち上げるまでの流れだけでなく、運営をどうすれば続けていけるかノウハウを書いた本です。
k.shin さん
2018-09-19
実際に子ども食堂を作ることを検討している人にとって大変ためになるであろう本。おすすめです。