本書は、IT分野における国家試験対策の論文指導や、
コミュニケーション・マネジメント、教育コンサルタント、コーチとして
豊富な経験を持つ著者が執筆した文章・文書作成の指南書です。
システム開発の現場や日常の社内業務において、社内文書やメールなどが
重要なコミュニケーションツールであることは言うまでもありません。
ところがその文書や文章に書き漏れがあったり、あいまいな記述があったりすると、
読み手に不要な誤解や混乱を与え、意思の伝達がうまくいきません。
これが、分業を前提とするシステム開発を失敗させる要因の1つとなっています。
そこで本書では、ITエンジニアが業務で必要な文書や文章を書くために
「最低限必要な知識、ノウハウ、コツ」を整理し、紹介します。
第1部の基礎編では、エンジニアが書く文章の問題点や、
わかりやすい・伝わる文章を書くために必要な
文章表現力の7つの基礎技術について説明します。
第2部の実践編では、社内の基礎的なコミュニケーション、顧客や社外の人とのやりとり、
アイデアや企画の検討・提案、相手に配慮した円滑な社内コミュニケーションなど、
状況別に具体的な文書・文章の書き方を実践的なテクニックとともに解説します。
●書き方を解説する文書・文章
調査報告、課題報告、進捗報告、会議開催通知、会議議事録、情報提供依頼書、提案依頼書、
顧客とのデザインシンキング実施依頼、商談メール・文書、依頼お断りメール・文書、
情報提供依頼メール・文書、業務改善企画書、説得メール・文書、新規ビジネス企画書、
作業協力依頼メール・文書、指導メール・文書、お礼メール・文書、作業指示書、
協業誘いメール・文書 ほか
■第1部 基礎編
第1章 エンジニアが書く文章の問題点と文章表現力
1-1 ビジネス向け文章作成に必要な素養
1-2 文章の基本は、相手と目的の理解
1-3 文章表現力の基礎技術とは?
第2章 文章表現力の基礎技術を活用する
2-1 7つの力1 確実に伝える
2-2 7つの力2 納得させる
2-3 7つの力3 一目でわかる
2-4 7つの力4 理解しやすくする
2-5 7つの力5 正確に伝える
2-6 7つの力6 短い文章で伝える
2-7 7つの力7 心に訴える
■第2部 実践編
第3章 社内の基礎的なコミュニケーション
3-1 調査依頼された内容を報告する[調査報告]
3-2 現状課題を報告する[課題報告]
3-3 進捗遅れを報告する[進捗報告]
3-4 会議の開催を連絡する[会議開催通知]
3-5 会議結果を報告する[会議議事録]
3-6 練習問題|課題報告書を書いてみよう
3-7 練習問題の解説と作成例
第4章 顧客や社外の人とやりとりする
4-1 顧客にヒアリングする[ヒアリング依頼]
4-2 システム導入の情報提供や提案を依頼する[情報提供依頼][提案依頼]
4-3 顧客と解決策を議論する[顧客とのデザインシンキング実施依頼]
4-4 顧客に決断させる[商談メール・文書]
4-5 顧客からの依頼を断る[依頼お断りメール・文書]
4-6 練習問題|提案依頼書(RFP)を書いてみよう
4-7 練習問題の解説と作成例
第5章 アイデアや企画を考える・提案する
5-1 企画に必要な情報を社外から収集する[情報提供依頼メール・文書]
5-2 業務改善の企画を考える[業務改善企画]
5-3 自分の考えで上司を説得する[説得メール・文書]
5-4 新しいビジネスを企画する[新規ビジネス企画]
5-5 ブレストする、アイデアを出し合う[Slackなどのチャットスタイル]
5-6 練習問題|新規ビジネス企画書を書いてみよう
5-7 練習問題の解説と作成例
第6章 相手に配慮した円滑な社内コミュニケーション
6-1 他部門の人に依頼する[作業協力依頼メール・文書]
6-2 後輩や部下をほめてやる気にさせる[指導メール・文書]
6-3 感謝の気持ちを伝える[お礼メール・文書]
6-4 仕事の指示をする[作業指示]
6-5 同じ目的・考えの仲間を増やす[協業誘いメール・文書]
6-6 練習問題|作業指示書を書いてみよう
6-7 練習問題の解説と作成例
mmm123 さん
2020-09-19
メールの書き方。 持ってたら便利かな。
TaiCo さん
2020-09-17
基礎編と実践編の二部構成になっている。基礎編の内容は、それなりに日本語で文章が書けるならば、改めて読む程でもない印象だった。文章の目的に応じて情報を取捨選択するとか、事実と意見は分ける等、一般的な話が中心。個人的には実践編が良かった。様々な場面ごとの文章がカタログのようになっている。初めて書くタイプの文章は、自分の中に基本的な型がなく、時間がかかることが多い。仕事上の事務的な文章であれば、相手に違和感を持たれないことが重要。この本の内容を参考に書いてみると「普通の」文章がとりあえず書けるようになると思う。
そせじ番長(中田淳一) さん
2020-05-01
完全に説明文のための内容であり、文芸的ではないが、説明が下手くそな自称小説家は読んだ方がいいかもしれない。 構造化、ポイントの抽出がされていてわかりやすい。2章が一般論だが、「心に訴える」5つのポイントは他人を説得する書き方としてなるほどと思う。