河野 鉄平(著)
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「学ぶ」という言葉の語源が「まねぶ」にあるように、
人は何かを学ぶとき「まねる」ことから始めます。
もちろん写真もそうです。
まねるべきお手本は、実は身の回りにたくさんあります。
それは、いたるところに写真上達のための「まねポイント」が
隠れているということでもあります。
また写真上達に役立つお手本は、写真だけではありません。
絵画や漫画のような視覚表現にも「まね」られるポイントはたくさんあります。
本書は、単にお手本写真を見せて撮り方を解説するのではなく、
お手本にすべき素材を名画やアート写真、広告や雑誌、CDジャケットなど、
さまざまなジャンルの手本をとりあげて、そこから学べるポイントを、
「構成」「アイデア」「光の扱い方」「ポーズ」の4章にわけて、
実例を見せながら解説していきます。
簡単そうに見えるものでも、いざそれをまねしようとすると、
なかなかうまくいないことがあります。このとき、
しっかりとまねるべきポイントをつかむことが上達につながります。
ぜひ、楽しみながら、実際にまねてみることで、
写真を撮ることの奥深さに触れてみてください。
本書のテーマである“まねる”という言葉には、もともといろいろなニュアンスが含まれています。ここで使う“まねる”とは、主に「模倣する」「見習う」「手本にする」などの意味に近いです。イメージしやすいのが、絵画の模写。模写は典型的なまねる作業です。絵画は模写することで、描くテクニックを深く学ぶことができます。
①構図②光③トーン(色や明るさなど)。順番は関係ありませんが、まずこの3項目に注目することが大事です。
お手本写真がどんな特徴を持っているのか、じっくり観察しながら研究します。
“まねるポイント”をピックアップします。
Introduction “まねて撮る”ことの意味と意義を考えよう
Introduction 1 まねることと、技術習得の関係
Introduction 2 どんな媒体にもまねる要素は隠れている
Chapter 1 “構成”をまねる写真術
はじめる前の心構え
1-1 観光ポスターからSNSにぴったりの雰囲気をまねる
1-2 イラスト作品集に登場する場所を実際にスナップする
1-3 カタログギフトなどのスタイリングをまねる
1-4 CDジャケットをまねて家族写真を撮る
1-5 ポスターや旅行雑誌の写真と同じ構図で狙う
1-6 ファッション誌の室内ポートレートの構成をまねる
1-7 ライフスタイル雑誌のテーブルフォトをまねる
1-8 子ども写真から日常的なひとコマを写す大切さを見習う
1-9 ワイルドな肉写真をまねて料理をうまそうに撮る
Column 1 ほかにもいろいろ、まねたいジャケ写。
ちょっとまねてみるシリーズ1【浮遊写真】をまねる
Chapter 2 “アイデア”をまねる写真術
はじめる前の心構え
2-1 CDジャケットから目隠し効果をまねる
2-2 蜷川実花風ビビッドポートレートを撮る
2-3 ソール・ライターの映り込みスナップをまねる
2-4 マイケル・ケンナのトーンをまねて風景を撮る
2-5 アンドレ・ケルテスの“歪み写真”をまねる
2-6 現実を超える!フォト・コラージュの世界をまねる
2-7 同じ場所を見続ける定点観測的な視点をまねる
Column 2 時代ごとに、写真家もカメラも、みんなまねてきた。
ちょっとまねてみるシリーズ2【心霊写真】をまねる
Chapter 3 “光の扱い方”をまねる写真術
はじめる前の心構え
3-1 肖像画のライティングをまねる
3-2 アーヴィング・ペンのバストアップポートレートをまねる
3-3 ヴォルフガング・ティルマンスの窓際静物写真をまねる
3-4 わざとヘタウマに撮る直当てフラッシュをまねる
3-5 光と影のセンチメンタルポートレートをまねる
3-6 ロバート・メイプルソープの花をとらえたライティングをまねる
Column 3 ライトペインティングに挑戦してみよう!
ちょっとまねてみるシリーズ3【なりきり絵画】をやってみる
Chapter 4 “ポーズ”をまねる写真術
はじめる前の心構え
4-1 無表情直立棒立ちポートレートをまねる
4-2 楽しくって仕方ない!爽やかスマイルポートレートをまねる
4-3 ワイルドさが伝わる男性向きポージングをまねる
4-4 バストアップを撮るときの手の動きをまねる
4-5 アニメやマンガのポーズをまねて子どもを撮る
冬佳彰 さん
2021-09-06
日曜、散歩中に書店で購入。副題にあるように、アート写真から名画、広告フォト、ファッション誌、レコードジャケットなどの、構図や光の加減、トーン、フォーカスといった要素を真似て、写真の腕を上げようという本。面白かった。名作と言われるコンテンツが先にあり、著者が手元の道具やモデルさん(家族を含む。これがほのぼのとして良い)、近場の街を素材に、真似ている。その際のカメラの設定やレタッチの方法、フラッシュの当て方などを解説してくれる。ははあ、そういう要素を調整して、こういう写真を撮るんだ、と大変勉強になる。
無謀庵@Reader さん
2021-10-16
たしかに真似は基本だろうと言われれば思えるんだけど、実際にやってみようとはできてなかった。静物からポートレート、風景など真似対象も多岐にわたるから、あまり詳しくないジャンルに着手するきっかけにも、また定番的な作法とは少し外した作風と真似方も紹介されていて、一歩広げるのにも使えそう。