初版刊行から5年。原著者による3章分の書下ろしと、日本の現状に関する解説を追加し、増補改訂版として刊行。
ひろき@巨人の肩 さん
2019-08-14
Audiobook。奪われし未来の正体、それは内分泌撹乱による生殖異常。所謂、環境ホルモンの人体への巧妙な侵食機構と生物兵器並みの毒性に絶句する。性ホルモンとは体内の情報伝播物質であり、胎児期の一次性徴での性形成を制御する。生殖異常を誘発するホルモン濃度は極微量。環境ホルモンとは難分解性の性ホルモン代替物質であり、母体の蓄積物が胎児に影響する。また一次性徴はセントラルドグマ同様、生物普遍の機構であるため、人のみならず生態系全体に環境ホルモンの蓄積と胎児期の濃度異常による生殖異常をもたらす。
佐島楓 さん
2018-10-15
環境ホルモンやダイオキシンという言葉をほとんど聞かなくなったが、それらの危険性を指摘したのがこの本であった。男女共に戦慄する内容であり、現在の研究の進捗状況を知りたいと思う。最近でもプラスチックのペレットに関する報道はあったが、あくまで動物が飲み込んで死んでいるという文脈だった。こういった内容が忘れ去られることがあってはならない。
そんれい さん
2020-02-11
レイチェル・カーソンが『#沈黙の春』で合成殺虫剤が人体を汚染する経緯を詳細に記した。この本は、カーソンの志をつぎ、合成化学物質がホルモン分泌系の作用をどのように撹乱しているかを、コルボーンが解明していくように語られる。便利な化学製品や食べ物に対する問題意識をしっかりと持って、商品として販売していても安易に購入して使用したり食したりしないようにしなければ。