酒井 泰介(翻訳) , 酒井 泰介(原著) , ビジャイ・ゴビンダラジャン(著) , クリス・トリンブル(著) , 三谷 宏治(監修)
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『リバース・イノベーション』のゴビンダラジャン教授の原点、「過去の成功」から脱出し、「戦略的イノベーション」で成功し続けるための10のルール
本書の中心となる課題は、「しっかりとできあがった組織で画期的なアイデアによって画期的な成長を実現するにはどうすればよいか」である。
事業が成熟するにしたがって、成長がますます難しくなる。どんなビジネスモデルであれ、成長の余力はやがて失われる。成長が衰えれば株価は低迷し、CEOは職を失う。社内の空気もよどみ、社員のキャリアも停滞する。組織自体も伸び悩み、競争力も衰える。ではどうすればよいのか?自社の内部に成長の芽を求めるのは骨も折れるし、組織が年をとり、市場が飽和するにつれて、既存市場で成長するには既存他社を食うほかはなくなり、金に飽かせてシェアを獲得するのは非常に難しい。したがって新しいビジネスモデルを探る「戦略的イノベーション」が最も魅力的な選択肢となる。
本書では、ベストプラクティスを抽出するために、コーニング、ユニリーバ、シスコシステムズ、ニューコアなどイノベーティブな企業に綿密な聞き取りをし、サン・マイクロシステムズ、3M、ウォルマート、サウスウエスト航空、インテル、ディズニー、オラクル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&G、コダック、マイクロソフトなどの研究も参照した。
偉大な戦略と偉大な実施とではどちらが大切か?——イノベーションについては、実施のほうが重要だ。どんなによく練られた事業計画も、かなりの推測が織り交ぜられている。問題はアイデアではなく、それをどう実施するか、なのだ。本書では単なる事業計画(創造性中心)を爆発的な成長へと導く10のルールを明らかにする。
序章 戦略的イノベーションとは何か?
第1章 なぜ大企業はイノベーションに失敗するのか?
第2章 なぜ組織は成功を忘れられないのか?【忘却の課題】
ケーススタディ:コーニング・マイクロアレイ・テクノロジーズ
第3章 忘れるための組織変革【忘却の課題】
第4章 なぜニューコはコアコと対立するのか?【借用の課題】
ケーススタディ:ニューヨーク・タイムズ・デジタル
第5章 対立を前向きな力に変えるために【借用の課題】
第6章 なぜ経験から学ぶことが難しいのか?【学習の課題】
第7章 学びの壁 ー過剰な期待や積極性【学習の課題】
ケーススタディ:ハズブロ・インタラクティブ
第8章 学びの壁 ー合理性・鼓舞・勤勉さ【学習の課題】
ケーススタディ:キャプストーン・ホワイト(仮名)
第9章 論理型計画法(TFP)で金鉱を掘り当てよう
第10章 戦略的実験事情を成功させる10のルール
ケーススタディ:アナログ・デバイセズ
5 よういち さん
2018-06-11
【TP1310】書評本で紹介されてなければ、まず手にとることはなかった本。あまり気がすすまず読んでみたが、なかなか分かりやすく面白かった。◆既存事業を維持しながら、新規事業を成功させるための本。◆本書では新規事業部を『ニューコ(NewCo)』、既存事業を『コアコ(CoreCo)』と呼ぶ。◆ニューコの組織は、コアコの事業定義や既成概念から離れる必要がある。(あぁ~ここって、昨日、読んだ『非常識な本質』にも書かれてたことだ。) ニューコのトップには外部出身者を据える。現場にも管理職レベルにも外部の血を。
645TJC さん
2016-05-08
ある程度規模のある企業において新規事業開発に携わる方にはバイブルとなるであろう本。新規事業開発の意味と成功への要諦が網羅されていると感じる。私は過去に新規事業開発に携わり、失敗という良い経験をさせてもらったが、なぜ結果が伴わなかったのか、その理由が明確に理解できた。事前に読んでいたら結果は異なっていたのかもしれないが、失敗があるからこそ深く理解できるのかもしれない。読んでよかった。
げん さん
2014-07-27
大企業ではイノベーションを起こしにくい、という定説に対して、大企業でイノベーションを起こすための戦略がシンプルに述べられている。忘却、借用、学習。この3つの課題に真摯に取り組むこと。実践は難しいが、信じて取り組む価値はある。