イノベーションのためには
プロダクトのビジョンを明確にして
戦略と優先順位を組織に浸透させなければならない。
しかし、この一連の活動を
日々の仕事にうまく落とし込むことは
非常に難しい。
この難関を超えた一握りの組織こそが
イノベーションを勝ち取る。
そこで本書では、小手先の施策ではなく
ラディカルに(=本質的かつ根本的に)
組織をイノベーションに導く
思考法を解説する。
具体的には次の5つのアプローチでプロダクトを成功に導く。
1 組織と市場にマッチしたビジョンのつくり方
2 ビジョンを効率的に達成する戦略の立て方
3 戦略を実行する優先順位のつけ方
4 施策の仮説検証の仕方
5 組織へビジョンを浸透させ方
とくに以下のような方々には必読の一冊。
・プロダクトマネジメント、プロジェクトマネジメントのリーダー
・DXにかかわるマネージャー、エンジニア
・組織変革をめざす経営層・マネージャー・起業家
〈目次概要〉
序章 ラディカル・プロダクト・シンキングとは何か
第1部 イノベーションのための新しいマインドセット
第1章 ラディカル・プロダクト・シンキングが必要な理由
第2章 プロダクト病~優れたプロダクトが腐敗するとき
第2部 ラディカル・プロダクト・シンキングの5大要素
第3章 ビジョン~変化を想像する
第4章 戦略~「なぜ」「どのように」行うか
第5章 優先順位づけ~力のバランス
第6章 実行と測定~さあ、始めよう!
第7章 文化~ラディカル・プロダクト・シンキングな組織
第3部 世界を住みたい場所に変えるために
第8章 デジタル汚染~社会への巻き添え被害
第9章 倫理~ヒポクラテスの誓いとプロダクト
終章 ラディカル・プロダクト・シンキングが世界を変える
監訳者序文
序章 ラディカル・プロダクト・シンキングとは何か
世界を変えるプロダクトを繰り返し生み出すための開発モデル
ボーイング737の開発経緯
ローカルマキシマムとグローバルマキシマム
ゼネラル・エレクトリックが陥った罠
ツイッターの成功例
著者も陥ったイテレーティブの罠
アビッドのビジョン駆動型戦略
ビジョンを日々の行動に落とし込むこと
本書の構成
第1部 イノベーションのための新しいマインドセット
第1章 ラディカル・プロダクト・シンキングが必要な理由
テスラとゼネラルモーターズの決定的な違い
イテレーティブ型アプローチの使いどころが明暗を分けた
財務指標とプロダクトの成功
リーンとアジャイルは目的地を示さない
ラディカル・プロダクト・シンキングの誕生
ラディカル・プロダクト・シンキングの哲学
ラディカル・プロダクトとしてのシンガポール
都市におけるラディカル・プロダクト・シンキング
シンガポールにおけるイテレーティブ
現場におけるラディカル・プロダクト・シンキング
スピードと方向が定まるとベロシティとなる
キーポイント
第2章 プロダクト病 優れたプロダクトが腐敗するとき
プロダクト病とは何か?
症例1 ヒーロー症候群
症例2 戦略肥大
病気3 強迫性セールス障害
症例4 数値指標依存症
症例5 ロックイン症候群
症例6 ピボット症候群
症例7 ナルシシスト症候群
合併症
キーポイント
第2部 ラディカル・プロダクト・シンキングの5大要素
第3章 ビジョン 変化を想像する
プロダクトは変化を起こすための仕組みである
優れたビジョンの特徴
解決したいと願う問題にビジョンを向ける
実現を願う最終形態を具体的に示す
チームと顧客の両方を刺激する
ビジョンステートメントの作成
ビジョンステートメントに含まれなければならない内容
誰の世界を変えようとしている?
あなたには世界がどのように見えているか?
なぜ現状は受け入れがたい?
ビジョンの実現を知るのはいつ?
どうやって変化を生むか?
ビジョンの浸透
ビジョナリーモーメント
ビジョンを自分事化する
キーポイント
第4章 戦略 「なぜ」「どのように」行うか
プロダクト戦略を欠いたグラミン銀行
RDCL戦略とは何か?
RDCL戦略の立案
ステップ1 ユーザーのリアル・ペイン・ポイントを見つける
ステップ2 ラディカル・プロダクトのデザイン
ステップ3 ケイパビリティの定義
ステップ4 ロジスティクスの定義
イテレーティブの役割
キーポイント
第5章 優先度 力のバランス
ビジョンを日々の行動に落とし込む
トレードオフの可視化
ビジョン負債のやりくり
ビジョンへの投資
サバイバルを定義する
サバイバルステートメントの例
優先順位を行動に移す
優先順位(とフレームワーク)の変化
精密さよりもシンプルさ
キーポイント
第6章 実行と測定 さあ、始めよう!
仮説の試行と検証でプロダクトをビジョンに近づけたナック
仮説駆動型の実行と測定
実行と測定の使用例
ラディカル・プロダクト・シンキングとイテレーティブの併用
プロダクト指標にむやみに数値目標を定めるのは危険
数値目標は知らず知らずのうちに視野を狭める
OKRの功罪
ラディカル・プロダクト・シンキングにおける測定
チームには指標へのフィードバックを継続的に行う
キーポイント
第7章 文化 ラディカル・プロダクト・シンキングな社風
文化もプロダクトと捉える
ラディカル・プロダクト・シンキングの文化フレームワーク
「ヒロイズム」
「サボテン畑」
「魂の消耗」
文化フレームワークの使い方
多様性の重要性――危険な領域が少数派に与える影響
大切なのは安心感
キーポイント
第3部 世界を住みたい場所に変えるために
第8章 デジタル汚染 社会への巻き添え被害
テクノロジーの進歩と世界の改善
プロディジーに見たプロダクトによる悪影響
不平等の拡大
関心の強奪
イデオロギーの二極化
プライバシーの侵害
情報エコシステムの侵害
操作されやすくなった人々
利益とビジョンの狭間
キーポイント
第9章 倫理 ヒポクラテスの誓いとプロダクト
明らかになってきたプロダクトが社会に及ぼす影響
ヒポクラテスの誓いとは何か?
ゴミのポイ捨てに似るデジタル汚染
囚人のジレンマ
ナッシュ均衡の引力を逃れる方法
規制/影響
インセンティブ
インスピレーション
ヒポクラテスの誓いとプロダクト
キーポイント
終章 ラディカル・プロダクト・シンキングが世界を変える
さまざまな領域の ラディカル・プロダクト・シンカーたち
ラディカル・プロダクトとしてのファイナンス
誰もがラディカル・プロダクトをつくれる
個人としての生活とラディカル・プロダクト
謝辞
注釈
著者紹介
監訳者紹介