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贈与経済2.0 お金を稼がなくても生きていける世界で暮らす

荒谷 大輔(著)

商品番号
184150
販売状態
発売中
納品形態
宅配便にてお届け
発売日
2024年04月15日
出荷開始日
2024年04月12日
ISBN
9784798184159
判型
四六
ページ数
248
キーワード
暮らし  金融

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「お金を稼がずに生きていける世界」なんて、ありうるのか?

「お金」さえあれば何でもできる世の中だと信じられていますが、その「経済的自由」を実現するために、人々は資本主義経済の厳しいルールの下で「勝ち続けること」を強いられています。
経済学の父、アダム・スミスは、そもそも、そうやって人々が「騙される」ことで社会のルールを守り、同時に経済を発展させる仕組みを提案したのでした。
しかし、その仕組みには、もう限界が来ています。
金融危機や気候危機など、システム全体の見直しを迫る問題に対処できないのです。
とはいえ、従来のオルタナティブには、理想に人々を縛る危険があり、代替案とされる贈与経済にも構造的な問題がありました。
そこで本書は、まったく新しい「贈与経済2.0」を提唱します。最新の技術を用い、お金を介さない新しい経済圏の実像を鮮やかに描きます。

【各界が激賞!】
■斎藤幸平氏(東京大学准教授)
哲学者が切り開く資本主義を超えた「経済2.0」に、ワクワクが止まらない!
■大澤真幸氏(社会学者)
哲学的思索と実践的配慮の総合。資本主義とは異なる経済は可能だ!
■樫田光氏(元メルカリ データ分析チーム責任者)
金に依る自由か、人の結びつきか。資本主義の矛盾を巡る思考の冒険。
■中里唯馬氏(ファッションデザイナー)
人と人との間に新たな繋がりを創り出そうと果敢に挑む筆者の眼差しは、人類未到の難題であることを忘れさせてくれる。
■星覚氏(曹洞宗禅僧)
誇張ぬきに人生で最も衝撃を受けた本の一つ。

【おもな内容】
第1章 なぜお金を稼がないと生きていけないのか――資本主義経済の構造を探る
第2章 理想の社会を作ろうとする試みはなぜ失敗し続けるのか――もうひとつの「近代社会」と戦後秩序
第3章 贈与経済はなぜそのままでオルタナティブになりえないのか――贈与経済論の再構築
第4章 これからの社会はどうあるべきか――他者との自由な関係に基づく「新しい経済」
第5章 いま、何をすればいいのか――「贈与経済2.0」の作り方
第6章 未来の社会はどのようになるのか――「近代社会」を超えて

【著者略歴】
荒谷大輔(あらや・だいすけ)
慶應義塾大学文学部教授、江戸川大学名誉教授。専門は哲学/倫理学。主な著書に『資本主義に出口はあるか』(講談社現代新書)、『ラカンの哲学』(講談社選書メチエ)、『「経済」の哲学』(せりか書房)、『西田幾多郎:歴史の論理学』(講談社)、『使える哲学』(講談社選書メチエ)など。

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第1章 なぜお金を稼がないと生きていけないのか

現代の私たちが生活の土台としている資本主義経済は、いつ、どのようにして生まれたのでしょうか。その構造を歴史を遡って明らかにします。

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第2章 理想の社会を作ろうとする試みはなぜ失敗し続けるのか

これまでも資本主義経済を乗り越えようとする運動はたびたび起こってきましたが、ことごとく失敗に終わりました。その原因と失敗を回避するヒントを探ります。

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第3章 贈与経済はなぜそのままでオルタナティブになりえないのか

贈与は人と人を結びつける機能がありますが、同時に強固な束縛を生み出してしまいます。その理由と束縛を回避する道筋を明らかにします。

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第4章 これからの社会はどうあるべきか

他者との自由な関係に基づく「新しい贈与経済」の仕組みをブロックチェーン技術を用いて社会実装する方法を描きます。

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第5章 いま、何をすればいいのか

東京・高円寺と石川・白峰の2地域で進行している「贈与経済2.0」のプロジェクトの実際を紹介し、そこから地域を越えてグローバル化していく具体的な道筋を見ていきます。

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第6章 未来の社会はどのようになるのか

「贈与経済2.0」がグローバル化する中で人々に求められる民主主義や国家のあり方の議論の糸口を提示します。

はじめに

第1章 なぜお金を稼がないと生きていけないのか
――資本主義経済の構造を探る

 お金を稼がないと生きていけない?
 名誉革命とロックの社会契約論
 アダム・スミスの「道徳論」
 個人の利益追求によって社会的な善悪が決まる
 「自然の欺瞞」:騙されたっていいじゃないか
 「経済学」への応用
 分業
 社会分業制
 「お金」を媒介にした交換の全面化
 道徳としての市場原理
 資本主義経済における「自由」
 奴隷解放と「平等」の実現
 自由主義の進展と労働者の貧困化

第2章 理想の社会を作ろうとする試みはなぜ失敗し続けるのか
――もうひとつの「近代社会」と戦後秩序

 「反資本主義」の共通点
 もうひとつの「近代社会」
 ルソーの「近代社会」における「自由」と「平等」
 ルソー=反資本主義
 マルクス主義
 ファシズム
 第2次世界大戦の対立軸:資本主義 vs. 反資本主義
 戦後の植民地解放
 モンロー主義とその拡張
 戦後民主主義とは何だったのか
 高度経済成長とその終焉
 二極化する「正義」に分断される世界
 資本主義システムの構造的な問題

第3章 贈与経済はなぜそのままでオルタナティブになりえないのか
――贈与経済論の再構築

 「経済」はひとつではない
 贈与のインセンティブ
 負債感の積み重ねがヒエラルキーを作る:カチン族の例
 「宗教的な次元」の発生
 返せない負債、身分の固定化
 「贈与経済からの解放」としての資本主義経済
 負債感の手前にある「わからなさ」
 「シニフィアン」としての贈与
 共同体を作る自由

第4章 これからの社会はどうあるべきか
――他者との自由な関係に基づく「新しい経済」

 「新しい経済」を実装するために必要なこと
 贈与の記録としてのブロックチェーン
 「ありがとう」の記録をブロックチェーン上に刻む
 「意味」を求める圧力が減退する
 「同じ物語」に縛り付けられない自由
 ゼロ地点への立ち戻り
 ハートランド・プロジェクト
 「感謝」は受贈者から与えられる:感謝の「重み」
 「不正」の回避
 贈与の履歴は「信用スコア」なのか?
 IDを自分自身で管理する
 贈与経済2.0は利己的なシステムなのか?
 贈与経済2.0の「財産」は相続されない
 贈与経済2.0におけるコミュニティの位置づけ
 直接民主制のコミュニティ
 退出する自由
 コミュニティはオープンであるように促される
 贈与経済のネットワーク化
 「地域通貨」との違い
 NAMの失敗

第5章 いま、何をすればいいのか
――「贈与経済2.0」の作り方

 贈与経済2.0の実現可能性
 「ハートランド・プロジェクト」の展開
 どんな人々が集まったのか
 贈与経済2.0を実装するためのハート経済
 「カリスマ」が不在であることの重要性
 東京・高円寺と石川・白峰の実証実験の開始
 贈与経済2.0の実現に向けて1:資本主義経済の中で贈与をやってみる
 贈与経済2.0の実現に向けて2:コミュニティ単位での参加
 贈与経済2.0の実現に向けて3:ネットワーク化

第6章 未来の社会はどのようになるのか
――「近代社会」を超えて

 贈与経済2.0の社会実装によって社会はどう変わるのか
 「安心」から「信頼」へ
 資本主義経済における「道徳」の脱魔術化
 価値観の違いをどうやって調停するのか
 熟議民主主義の失敗
 ゼロ地点ルール
 「利用規約」を民主化する
 多くの方々の参加をお待ちしています

おわりに

参考資料/リンク先
本書に関するお問い合わせ
著者略歴

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