中村 姿乃(著)
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本書は古今東西の植物療法を巡るディープな歴史、植物に魅せられた人々、豊かな物語から、植物の「癒やす力」の根源を探ります。
アロマ、ハーブ、フラワーエッセンス(花療法)、森林療法、園芸療法、ジェモセラピーやホメオパシーなど、私たちの心と身体を癒す「植物療法」(フィトセラピー)。始まりは古代まで遡ります。
かつてはミイラの防腐剤、ペストの防護服、権力者への貢ぎ物、宗教儀式、戦時下の治療などに使われたり、錬金術から精油の原型が生まれたり。アーユルヴェーダや漢方も含み、PART1では植物療法の基本を広く解説します。PART2、3では各地域の薬草の歴史と、重要人物26人の人生を辿ります。植物に人生を捧げた人々の情熱や活躍ぶりは、読みごたえたっぷり!
PART4では、植物が象徴的に描かれた物語や作品を紹介。聖書やグリム童話をはじめ、古事記、日本書紀、万葉集、枕草子、源氏物語など日本の古典や、プルースト、チョーサーなど海外文学、梨木香歩さんや上橋菜穂子さんの現代小説、マネ、ドガ、ロートレック、ゴッホなどの有名絵画、『薬屋のひとりごと』などヒット漫画、『ピーターラビット』『魔法の庭ものがたり』『ノーム』など、人気の絵本を解説。薬草と関わりの深い「魔女」と神秘的なハーブについても考察します。
コラムでは「フランス取材記」を掲載。南仏の伝統的な農場、老舗精油メーカー、リヨン植物療法専門学校、パリのビオ製品の見本市「マジョレーヌ」を楽しくレポート。
アロマやハーブ、魔女が好きな人、世界の薬草文化を知りたい人、物語や芸術作品など、これまでにないユニークな角度から植物療法を学びたい人におすすめの1冊です。
■著者紹介
中村姿乃(なかむら しの)
東京・西荻窪のアロマテラピースクールとサロン「野枝アロマ」代表。アロマセラピスト。幼い頃より植物に触れ、香りを楽しむ。一般企業で世界中の鉱石見本市での取材や買い付け、webメディア編集長などを経て、自身のアレルギーをきっかけにアロマの世界へ。精油やハーブの源泉をたどり、フランスの農場、精油メーカー、ヨーロッパ最大級のビオ製品見本市、ハーブ専門店(エルボリストリ)などで取材を重ねる。リヨン植物療法専門学校(Ecole Lyonnaise de Plantes Médicinales)でアロマテラピーや植物学の知識も習得。
ナード・アロマテラピー協会(NARD)認定アロマトレーナー、yuica認定日本産精油スペシャリスト、日本アロマコーディネーター協会(JAA)、日本アロマ環境協会(AEAJ)などの資格を取得し、サロンや鍼灸院、医療系施設でもアロマテラピーの実践を経験。
植物はどんなふうに「薬草」として使われてきた?神話の時代から現在の小説や映画まで、薬師やハーバリストはどう描かれてきた?神秘的な薬草と縁が深い「魔女」とは、一体何者?本書は植物療法にまつわる各地の「歴史」、植物に魅せられた26人の「人物」、植物の描かれた豊かな「物語」から、植物と人とのドラマを読み解きます。アロマやハーブ、魔女やファンタジーが好きな人や、世界の薬草文化を知りたい人、日本を含め世界の本草書や養生訓に興味がある人、物語や芸術作品などユニークな角度から植物療法を学びたい人にもおすすめです!
最初に植物療法とは何か、なぜ植物に人を癒やす力があるかを解説。アロマ、ハーブ、フラワーエッセンス、森林療法、園芸療法、ジェモセラピー、ホメオパシー、アーユルヴェーダ、日本漢方など各療法を取り上げ、植物の多様な作用や、身体の構造も紹介します。
かつてはミイラの防腐剤や祈りの儀式、ペストの防護服、権力者への貢ぎ物、戦時下の治療などに使われた植物。錬金術から精油の原型が生まれました。古代、中世、近世、近代・現代の時代や、地域ごと、各療法ごと、養生論や本草書の変遷などテーマごとに、ディープな歴史を解説します。
ヒポクラテス、テオプラストス、プリニウス、ディオスコリデス、ガレノス、張仲景、聖徳太子、鑑真、アヴィセンナ、ヒルデガルト、パラケルスス、イギリスの植物学者4人、貝原益軒、リンネ、出島の三学者、小野蘭山、牧野富太郎、ガットフォセ、バッチ、モーリー、バルネ……植物に人生をかけた人々の生涯と功績を辿ります。
聖書をはじめ、グリム童話、古事記、日本書紀、万葉集、枕草子、源氏物語など日本の古典、プルースト、チョーサーなど海外文学、梨木香歩さんや上橋菜穂子さんの小説、マネ、ドガ、ゴッホなどの有名絵画、『薬屋のひとりごと』などヒット漫画、『ピーターラビット』『魔法の庭ものがたり』『ノーム』など人気絵本の他、音楽作品も解説します。
PART4では多くの物語にも登場する「魔女」について考察します。『ハリー・ポッター』『ロミオとジュリエット』などにも登場し、多くの伝説や謎に満ちた「マンドラゴラ」、古代ケルトの宗教を司るドルイド僧が神聖視したオークの木に宿る「ミスルトー」など、魔女と縁の深い神秘的な薬草についても紹介します。
西洋だけではありません。丹波康頼『医心方』、栄西『喫茶養生記』、貝原益軒『養生訓』や、小野蘭山『本草綱目啓蒙』など、日本ならではの貴重な文献も、原本の図版と共にたくさん紹介しています。
南フランスの伝統的農法に取り組む農場、リヨン植物療法専門学校、パリのビオ製品見本市「マジョレーヌ」、成分分析にこだわる精油メーカーなど、著者自ら現地取材し、レポートします。
各章末では、フランスや日本など、さまざまな地域の美しい自然風景を掲載。小さな農場の古い蒸留器や、蒸留された精油やハーブウォーター、摘み取られたばかりの瑞々しい植物など、貴重な写真も。
付録では、アロマのトリートメントオイルやジェル、ハーブの栽培など、暮らしの中で植物療法を気軽に楽しめるレシピを掲載。さらに本書で頻出した植物のプロフィールも紹介しています。
はじめに
PART 1 植物療法の基礎知識
植物療法とは
なぜ植物に癒す力があるのか?
さまざまな植物療法
アロマテラピー
ハーブ療法
フラワーエッセンス
森林療法
園芸療法
ジェモセラピー
ホメオパシー
アーユルヴェーダ
日本漢方
身体を巡る植物の通り道
植物療法の相反する作用
PART 2 植物療法を巡る歴史
植物療法の歴史年表
古代の植物療法
中世の植物療法
近世の植物療法
近代・現代の植物療法
植物療法それぞれの歴史
日本における植物療法の歴史
儀式と香り
時の権力者と植物
戦争と植物療法
疾病と植物療法
養生論の歴史
本草書の歴史
PART 3 植物療法と重要人物
ヒポクラテス
テオプラストス
プリニウス
ディオスコリデス
ガレノス
張仲景
聖徳太子(厩戸王)
鑑真
アヴィセンナ
ヒルデガルド・フォン・ビンゲン
パラケルスス
イギリスの植物学者
〈ウィリアム・ターナー〉
〈ジョン・ジェラード〉
〈ジョン・パーキンソン〉
〈ニコラス・カルペパー〉
貝原益軒
カール・フォン・リンネ
出島の三学者
〈エンゲルベルト・ケンペル〉
〈カール・ツンベルク〉
〈フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト〉
小野蘭山
牧野富太郎
ルネ=モーリス・ガットフォセ
エドワード・バッチ
マルグリット・モーリー
ジャン・バルネ
PART 4 植物療法と物語
聖書に登場する聖なる植物
日本の古典から読み解く薬草文化
文学に描かれたハーブの豊かな香り
絵画に象徴的に描かれた植物
映画を印象づけた植物
音楽で存在感を放つ植物
マンガやアニメを盛り上げる植物
絵本や児童書でやさしさを添える植物
グリム童話で活躍する植物
魔女と神秘的な薬草
COLUMN
(1)伝統的農法にこだわる南フランスの農場
(2)リヨン植物療法専門学校での学び
(3)パリの見本市「Marjolaine(マジョレーヌ)」
(4)農耕者の知恵を次世代へつなぐメーカー「maison・Laget(メゾン・ラジェ)」
付録
1 植物療法の実践編
2 本書に登場する主な植物図鑑20