本書は自然災害などの緊急事態に直面したとき、企業がどのように対応すべきかを指南する。いざというとき「人」「心のケア」に力点を置いて行動し、事業継続をも包括する、企業がとるべき「備えあれば憂いなし」の実践的で効率のよいマニュアルである。著者は、7年間に6回の「緊急事態」(地震3回、火事1回、ロス暴動、世界貿易センタービル爆破事件)に見舞われ、人事担当スタッフとして、会社としてどのように対応し、何を学び、どう改善していったかを、時系列で述べる構成となっている。実際にとったアクションとその指針がリアルに描かれる。
第1部 災害にどう備えるか
第1章 リーダーシップの構築
第2章 「人」を重視した業務継続プランの立案
第3章 緊急時の人事・労務
第2部 災害時に対処する
第4章 社員のケア
第5章 災害対応の業務分担
第6章 通常業務への戻り方
第7章 通常業務に戻る際の10のステップ
第8章 心の回復力をつける
第9章 いま、始めよう -5分間の準備
資料編
業務継続プランの構成例
電話連絡網の例
財布に入れる「緊急用カード」の例
緊急時の社員用行動マニュアル
自宅で準備すべきことの提案
kozawa さん
2011-10-13
今年の災害を受けての邦訳出版だが原書はもちろんそれ以前からのもの。これだけのことが出来るのは一定規模以上の企業だけだろうがその手に関係する人なら本書も読んでおくのは悪くないかも。訳者によるローカライズも入っているのでどれだけ「直訳」のままかはわからないのだが、ざっと読む限り、これはアメリカ的だなぁと思う部分もある一方で、日本だって一緒だと思う部分の方が多い印象を受けたかな。