今ではインターネットで検索したり質問したりすれば、会社経営に必要な法律知識も手軽かつ気軽に得ることができます。しかし、その中には誤った情報や時代錯誤の情報、不適切な内容を含んだ情報が含まれているのも事実です。そうした正確ではない情報を鵜呑みにして対応を誤り、経営の危機に陥ったり、うっかり損害を出したりしてしまっては、会社の存続さえ危うくなります。
本書は、主に中小企業の社長・経営者、総務部長、1年目の法務部員の方々向けに、ビジネス法務において注意しておくべき法律問題の勘所を感じてもらうことをコンセプトに執筆しました。そのため、法律知識がなくても楽に読み進めることができるよう、工夫しています。
ビジネスにおける法務リスクは、企業を取り巻くステークホルダー(企業と利害関係を有する個人や法人のことをいいます)~取引先・従業員・株主・消費者・社会・後継者・行政~ごとに注意すべき法律が異なります。
このため、本書では、ステークホルダーごとの法律関係に焦点を当てて、注意すべき法律問題を論じています。社長をはじめとした経営陣が知っておくべき法律知識の基本と、会社を取り巻くよくあるトラブルについての対応策および予防法務について、下記にあげる内容をキーワードに具体的な事例を上げながら、正しく詳しく図解付きで解説していきます。
本書で予め知識を得ておけば、トラブルが起こったときや起こりそうなときに会社としてどう対応すべきなのか、その勘所がわかります。
【本書で扱う事例のキーワード(抜粋)】
契約書/電子契約/公正証書/債権回収/内容証明/下請法/オフィス賃貸/労働時間/残業代/セクハラ/パワハラ/メンタルヘルス/ストレスチェック/懲戒処分/取締役会/譲渡制限株式/不正競争/商標/著作権/消費者契約法/利用契約/景品表示法/特定商取引法/モンスタークレーマー/個人情報保護法/事業承継/税務調査 etc.
【目次】
第1章:取引先とのトラブルを回避するための法律知識
第2章:従業員とのトラブルを回避するための法律知識
第3章:株主とのトラブルを回避するための法律知識
第4章:社会とのトラブルを回避するための法律知識
第5章:消費者とのトラブルを回避するための法律知識
第6章:事業承継に必要な法律知識
第7章:税務調査の対象となったら必要になる法律知識
しるく さん
2020-08-18
一つ一つはどうしても浅めになるが、まず想定読者(経営層や総務部長や法務部1年生)に最低限必要なベースの分野全般の内容となっており、さらにそれらを押えるべきポイントをふまえて解説しているのが良い(著者両名の企業法務の実務経験が活かされているように感じる)。この書籍を入門書として、更なる深耕には各分野の専門書に進んでいくとよさそう。社会人としての知識・教養としての学習書としても薦められる良書。