エンジニアのキャリアパスの中で見積りは避けては通れないスキルです。
しかしながら、近年、クラウド環境による開発・本番インフラの大幅なコスト低減、GitHubなどチーム開発ツールの成長など、
大幅な環境の変化もあり、それまでのやり方が通用しなくなっています。
本書では、フレームワークや自動化ツール、高度なIDEなどのツール類、テストの自動化やDevOpsといった多数の効率化手法など
クラウド時代の開発手法に沿った形でイチから見積りについて解説します。
【本書の構成】
本書は3部構成になっています。
第1部では、「見積りの基本」として、見積りの超基本について解説します。
続く第2部では、「これまでの見積り」として、クラサバなど従来の見積りについて解説します。
最後の第3部では、「クラウド時代の見積り」として、IDE、GitHubを用いた見積りのやり方や、アプリ開発の見積りなどについて解説します。
また、ビッグデータの解析システム構築など、実際の事例も取り上げます。
「見積りテンプレート集」および第9章の実習にて実際に作成し た見積りをご提供します。
第1部 見積りの基本
第1章 見積りって何だろう
見積りの根幹
システム開発における納品までの流れと見積り
ソフトウェア開発の契約形態とお金の流れ
見積書の基本用語
単価って何?
誰から誰宛てなのか? 見積書の読み方
見積りの有効期限
知っておこう! 主な見積りの手法
最も一般的な見積りの手法 積み上げ法
ユーザーにも受け入れられやすい手法 ファンクションポイント法
第2章 はじめての見積り
要件を書き出す
具体的な要望を見える化しよう
機能要件・非機能要件一覧で見積りの範囲を明確にする
システムの役割を明確にする
体制図で役割を明確化する
マスタースケジュールでフェーズの全体像を共有化
見積もる前に現状確認を
システム開発における作業フェーズ
フェーズとタスク
タスクをスケジュールに並べてみよう
リスクを把握して作業バッファを削る
第3章 チームの作業を見積もる
ロール(役割)とは?
ITプロジェクトのロール
タスクとロールをひも付けよう
1画面に何日かかる? 見積りの基準を決めよう
メンバーの生産性と練度
チームのスケジューリングをしてみよう
テストの自動化やプロジェクト管理ツールの影響
開発プロセスと見積り アジャイルとウォーターフォールモデル
第4章 受注に向けた見積り
一般的なコンペの流れ
ヒアリングと提案の進み方
見積りの進め方を確認する
機能要件・非機能要件一覧を作ってみよう
多段階見積りの進め方
見積作業を進める
見積りを見える化する(1) フロー図
見積りを見える化する(2) アーキテクチャー構成図
見積りに必要な資料 体制図
見積りを進める スケジュール
見積り完成時のチェックポイント(1) 要件を現行業務と比較したか?
見積り完成時のチェックポイント(2) 体制図やスケジュールに顧客の役割を明示しているか?
見積り完成時のチェックポイント(3) 非機能要件が書き出され顧客に説明されているか?
見積り完成時のチェックポイント(4) 開発作業以外の費目は盛り込まれているか?
見積り完成時のチェックポイント(5) 値引きの要望への対処は適切か?
時間は削れない
第2部 これまでの見積り
第5章 ソフトウェア工学的視点での見積り
見積りの歴史
工数と工期の関係
工数の構成を知る
クライアントサーバー型の見積り
第6章 ファンクションポイント法による見積り
ファンクションポイント法の進め方
ファンクションの定義と粒度
ファンクションポイント法を使ってみよう(1) ファンクションポイントの算出
ファンクションポイント法を使ってみよう(2) 調整値を算出する
ファンクションポイント法を使ってみよう(3) 見積りの作成
第7章 ユースケースポイント法による見積り
UMLの基本
ユースケースポイント法での見積り
ユースケースポイント法で実際に算出する
第3部 クラウド時代の見積り
第8章 クラウド時代の見積りの技術要素
開発プロセスの変化に伴う見積りの変化
大きく変わったテストや開発のコスト
システム全体のコスト構造の変化
新しい技術と見積り
スマートフォンアプリでの見積り
第9章 事例・実習編
アジャイルプロセス×クラウド活用のシステム開発
ミッションクリティカルなWeb業務管理システムの開発
しお さん
2021-03-22
見積もりに関する知識が詰まったやさしい本。私には抜けていた知識が多かったので上流工程に関する勉強の足掛かりとして大変役立った。しかしながら、大変やさしく書かれており、短くあるので知識がある方には高く感じる内容だとも思います。
あららぎ さん
2020-03-03
古いのから新し目の話まで広く書かれている本。深く掘り下げるように検索ワードも末尾にまとめられているので使いやすい。
restofwaterimp さん
2019-05-11
昔の積み上げ法から今の開発見積の流れたをさらっと書いてある。FPが主に書いてあるが、開発のツールも変わってきており、自動化やクラウド、AIのケースは従来のやり方じゃアカンよと。 何を使うかで標準工数が変わりすぎ?。いずれにせよ不確定要素をいかに少なくするかが見積の王道かなー。(要件定義までいっているなら)