企業におけるITシステムの構築と利用は、もはや「ごくあたりまえのもの」になった。SIerの売り手市場ではなく、顧客から厳しい要求ばかりつきつけられることが日常化している。ソフトウェア開発者は、いまや憧れの職種でも、輝かしい未来を持った職種でもなくなってきている。ソフトウェア開発がやりたくて就職したIT技術者たちも、収入を上げるためには「技術者ではなく管理者になるほかない」という現実を受け入れている。しかし、本当の力を持った技術者は「技術者として」成功することもできる。また、だれでもできる仕事しかできないようでは、賃金の安い海外の技術者や開発ツールに置き換えられてしまい、職を失う。このような現状の下、IT技術者はどのようにして生き抜いていけばよいのか、若手~中堅層に問う。
序
コラム C++知らずはITを語れず
コラム 世界のIT業界をリードするC++設計思想
第1章 IT技術者として生き残るための十ヶ条
経営トップの資質
求められる人材
営業は上級SE
開発者と転職
開発者と社内昇進
楽して仕事をすること
コラム プログラミング言語Cの設計者の非情さ
コラム プログラミング言語Cと「関数」
第2章 Bjarne Stroustrup氏との対話
英語の学び方
C++の学び方
プロジェクトマネージャとプログラマ
C++初心者とライブラリ
「IT技術者として生き抜くための十ヶ条」の優先度
コラム Cの「型」とC++の「型」
第3章 派遣開発者とオフショア開発
社員は経営者を目指せ!
「したたかな」ビジネス戦略
派遣開発者の明日を占う
なぜオフショア開発に踏み切ったのか?
コラム 派遣労働者からの脱却
第4章 プログラム開発を推奨しない熟練プログラマ
「プログラムレス」ソフトウェア開発モデルへの道
誤解されるプログラムレスの意味
XCuteの真の実力
「IT技術者として生き抜くための十ヶ条」の優先度
コラム Excel基礎講座
第5章 独創技術を磨き上げる熟練プログラマ
ソフトウェア輸入大国日本をどう見る?
独創技術のビジネスモデル
独創的な技術はビジネスになるか?
独創技術を支える開発者像
コラム ヘッダーファイルの意味
第6章 今後の技術と望まれる開発者像
時代はこの先どこへ向かって進むのか。
ソフトウェア開発者の現状
大切な提案能力
「IT技術者として生き抜くための十ヶ条」の優先度
コラム Pthreadsライブラリを使ってみる