昨今、システム開発において「クラウドファースト」という言葉が浸透し、ITシステムを構築するときにクラウドを使うケースが増えてきています。
本書では、主にIaaS(インフラサービス)を中心としたクラウドを使ったシステム構築を想定し、クラウドインフラ構築に携わるエンジニアが知っておきたい知識――クラウド共通の機能や内部構成、アーキテクチャなど――について解説します。
クラウドでのインフラ管理の最大の特徴は“インフラをAPIで制御できること”、これによって従来の環境ではできなかった構築と運用が可能です。本書では、はじめに各種クラウドの概要と提供コンポーネント、その重要な構成技術であるAPIの仕組みといった基礎的な知識を理解します。その後、サーバ、ストレージ、ネットワークの各コンポーネントがどのようなアーキテクチャか、そしてクラウドAPIによってどのように制御されているかを解説し、クラウドサービスの内部構成にも触れていきます。また、環境管理、API、認証、DNSを深堀し、これらを駆使したクラウドならではの考え方についても解説するほか、クラウドを基盤とした新しい「クラウドネイティブ」なインフラ管理手法であるInfrastructure as CodeやImmutable Infrastructureについても取り上げます。
クラウドインフラの仕組みや動作原理を知りたい、あるいはこれからクラウドを使ったシステム構築に携わる方など、特定のクラウドサービスに依存しないクラウドの本質を学びたいエンジニアにおすすめの一冊です。
KAZOO さん
2020-05-04
世にあるクラウドの本とはまるっきり異なり比較的専門的なSE向けの本ではないかと思いました。私にとっては非常に面白い本なのですがクラウドとAPI絡みのところしか理解できない感じでした。(第4章くらいまで)そのあとはやはり実践的な部分が多く実際に業務に携わっている人間でないとかなり難しく感じました。
Kawai Hideki さん
2016-03-14
OpenStackとAWSの共通点や考え方の違いをAPIを通して説明する解説本。APIの基礎部分も「そこからですか!」というくらいしっかり説明されている。サーバ、ブロックストレージ、ネットワーク、オーケストレーション、認証とセキュリティ、オブジェクトストレージ、マルチクラウド、コンテナと、IaaSの基本機能の仕組みについて、内部構成、処理フロー、コンポーネント図などでがっつり説明してくれていて分かりやすかった。表紙にある通り、「特定のサービスに依存しないクラウドの本質を理解」するのに適した良書。
LibraBee! さん
2016-09-27
【★★☆☆☆】クラウドの大枠とAWS,OpenStackの要素概要、URI,APIの事例があり、参考になった。要素毎の仕組みはぼんやりと見えてくる。要素毎の繋がりもある。しかし、構築用ではないので、実際のクラウドの実装のイメージはつかない。