上場企業が財務報告を行うにあたり、不正を予防するためにリスクを可視化し、
適切にコントロールを行う体制の設置を定めた制度がJ-SOX法(内部統制報告制度)
です。
本書は、この制度が定められてから10年以上、実務の現場で筆者が集めた様々な
知見をもとに、必要十分で効率のよい内部統制の構築と運用について解説します。
筆者は、内部統制を制度発足当時から行ってきたスペシャリストであり
昨今、ロックダウン中のロンドンで内部統制を実現しています。
本書は、コロナ禍における社会とビジネスの大きな変容にどう対応したらよいか、
筆者の豊富な経験をもとに紹介します。
身近なQ&Aやマメ知識を豊富に紹介しており、中堅・中小企業にも活用しやすい
具体的な内容です。
■本書の特徴
・コロナ禍で変容するリスクとコントロールが分かる
・必要十分な内部統制でコストダウンを実現できる
・失敗や不備から学ぶ“べからず集”として楽しく読める
・実務に使える内部統制書類の雛型(日・英)をWeb提供
■主な対象読者
・内部統制の導入・維持の担当者、仕組みに興味がある方
・この分野のコンサルタントの方
・経理、コンプライアンス、リスクマネジメントや監査の研究者
・商学部・会計や監査専攻の学生など
■目次
序章 新たな時代に備えるために
第1章 新しい時代に応える内部統制
第2章 内部統制の基礎をもう一度学び直す
第3章 内部統制を評価する
第4章 内部統制報告書からあるべき姿を学び直す
第5章 新しい時代に求められる内部統制
第6章 内部統制における不正な行為
■筆者
打田昌行(うちだまさゆき)
米国公認会計士(米国ワシントン州登録)、公認内部監査人
(株)日立製作所グループ傘下の監査支援会社部門に所属し、国内に加え海外30ケ国
で内部統制を構築する仕事に12年間従事。構築支援対象企業は100社以上。制度導入
のための社内講師を務め、延べ600人の社員に内部統制に関する講義実施。(社)内
部監査協会の機関誌に研究論文を3回掲載、講演実績多数。
コロナ禍における社会とビジネスの大きな変容にどう対応したらよいかを解説します。
身近なQ&Aやマメ知識を豊富に紹介します。
実務に使える内部統制書類の雛型(日・英)のExcelファイルをダウンロードで提供します。
序章 新たな時代に備えるために
1.日常を襲った突然の変容
2.内部統制の運用に起きたパラダイムの転換
第1章 新しい時代に応える内部統制
1.パンデミック後に訪れる内部統制の姿
2.内部統制報告書からあるべき姿を学び直す
3.余計なコストを省いた内部統制を持つ
4.不正に対抗する内部統制のアプローチ
第2章 内部統制の基礎をもう一度学び直す
1.内部統制報告制度の基礎知識
2.内部統制文書は必ず自社でつくる
3.内部統制を表す文書について
4.内部統制は誰がどのように評価するのか
5.内部統制の評価範囲の決め方がコストを決める
第3章 内部統制を評価する
1.整備状況評価を実施する
2.運用状況評価を実施する
3.ロールフォワード手続
4.不備こそ業務改善に向けた絶好のチャンス
第4章 内部統制報告書からあるべき姿を学び直す
1.内部統制を学び直す絶好のツールがある
2.全社的な内部統制のあるべき姿を学び直す
4.業務プロセスに係る内部統制のあるべき姿を学び直す
5.IT(情報技術)統制のあるべき姿を学び直す
第5章 新しい時代に求められる内部統制
1.新しい時代の内部統制文書
2.国内外に共通する全社的な内部統制
3.国内外に共通する決算・財務報告プロセス
4.国内外に共通する業務プロセスに係る内部統制
5.国内外に共通するIT(情報技術)統制
6.評価を効率化してコストを削減する
7.内部統制の評価の現場は変わるのか
第6章 内部統制における不正な行為
1.財務報告の信頼性に対する脅威
2.善意や無知による不正に対抗する
3.コンプライアンスを遵守する本当の意義
4.内部統制報告制度に見る不正予防の仕組み
5.内部統制報告制度の限界を考える
付録 内部統制文書の雛型